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前ページ次ページ機械仕掛けの使い魔 機械仕掛けの使い魔 第5話 「じゃあ、まずは自己紹介ね。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 キュルケでいいわ」 ベッドに腰掛け、足を組んでいるキュルケ。スタイルも相まって、非常に様になっている。 「で、そこにいるのが私の使い魔、サラマンダーの『フレイム』よ」 「きゅるきゅるっ」 紹介されたフレイムは、ロープにかけて干してある制服の下にいる。尻尾に灯っている炎で、制服を乾かしている。 なかなかに器用だった。 「彼女はタバサ。ちょっと無口だけど、悪い子じゃないの。さっきの件は、私が代わりに謝罪するわ」 そう言って、優雅に頭を下げる。当のタバサと言えば、テーブルを挟んでルイズと向い合いに座り、 カタカタと震えながら俯いて、何やらブツブツと呟いていた。耳を澄ましてみると、 「…射程は解った…今度はその外から…ウィンディ・アイシクルで串刺しに…」 と、物騒極まりない内容である。耳を澄ましたルイズは、タバサに対して震えるのであった。 「洗濯に使ったのは、雨の日に使う部屋干し用の石鹸なので、室内で干しても問題ありませんよ、ミス・ヴァリエール」 シエスタはルイズの傍らに立ち、ニコニコとしていた。貴族たちの会話に参加させてもらっているのが嬉しいのか、 はたまたクロの秘密を聞けるのが嬉しいのか、知るのは本人のみである。 一通りの人間組の紹介が済んだところで、寝そべっていたクロが立ち上がった。 「オイラはクロ。…先に言っとくけど、化け猫なんかじゃねーぞ」 「サイボーグ、だってさ。やる事なす事化け物じみてるけど、妖怪とかじゃないみたいよ」 「「「さいぼぉぐ?」」」 事情を知らないキュルケ、タバサ、シエスタの声が重なる。ご丁寧に頭上には、”?”マークが浮かんでいる。 「見せた方が早いんじゃないの?」「だな」 ここからは、概ねルイズの場合とほぼ同様の展開だった。頭部のぬいぐるみを脱いだ時点で3人とも目を伏せ、 ぬいぐるみを投げ渡されたキュルケのリアクションで、ようやくクロのメタルボディを直視する。…もう、ずっと脱いでた方がいいんじゃなかろうか、とも思えた。 「そう言えばクロ、さっき聞きそびれた事があったのよ」 頬杖を突きながら、ルイズが尋ねる。 「そのゴーって人、何でアンタをサイボーグにしたの?」 「世界征服、だってよ。今じゃすっかり諦めたみてーだけどな」 「「「「世界征服…?」」」」 見事にハモった。驚く者もいれば、呆れる者もいる。要するに三者三様、いや四者四様の受け取り方であった。 「世界征服って…いくら機械の身体って言っても、たった1匹で?」 「いや、オイラの他にも100匹くらいいたぜ。その日の内にほとんど潰しちまったけど」 クロは思案する。あの日叩きのめしたネコ型サイボーグは、一体何匹いたのだろうか。最初の乱闘の時点で、恐らく50匹前後はいたはずだが…。 やめた、数えんのメンドくせぇ。 「あぁ、それでさっき、100匹いるっておっしゃったんですか」 シエスタの疑問が1つ解けた。しかし、やや残念そうなのは、生身の猫が喋る、というワケではなかったからだろうか。 いや、2匹ほどいるにはいるが。 「にしても、アンタ1匹に潰されるって…どんだけ弱いのよ、そのサイボーグたちって…」 「いや、弱くはねーぞ」 「何それ、自慢かしら? 案外かわいいとこあるのねぇ」 妖艶な笑みを浮かべるキュルケ。コイツは本当にルイズと同じ学年なのか…。クロには、とてもそうは思えなかった。 逆にタバサについては、妙に納得出来るものがあったのだが。 「想像してみな? 馬なんかより遥かに足の速ぇ猫が、鋼鉄だって切り裂く長ぇ爪振り回して追っかけてくる。 おまけに水の中でも自由に動けるし、中には空を飛べるヤツもいる」 4人は、クロの言う通りの光景を頭に思い浮かべてみた。そして間を置かず、顔を引き攣らせる。 爪を振り回す、の時点でやや限界を迎えたらしい。タバサに至っては、怨嗟の声をあげる化け猫で想像してしまったようで、誰が見ても分かるレベルで顔を青ざめさせていた。 まだ化け猫を引きずっているようだ。 「ま、そんだけじゃねーんだけどな。他にも幾つか武器使えるんだが、オイラも使える武器だし、その内見せてやるよ…その内、な」 最後に見せたのは、悪役と言っても過言ではない、素晴らしく邪悪な笑顔だった。 一通りの説明――相変わらずかなりの部分を端折ってはいたが――を終えたクロは、「メンドくせーから、後は適当に」とそっぽを向き、自分の身体をいじり始めた。 ドライバーなどの工具がないため、本格的なメンテナンスは不可能であったが、手でやれる部分などはやらないに越した事はない。 その間、ルイズたちはクロについて、あーだこーだと議論を展開していた。 「義手義足ってレベルじゃないわよ、あの猫ちゃん。新種のゴーレムか何か?」 「全身が機械なんですよね…?」 「触ったけど、硬いし冷たいしで、間違いなく、生き物じゃないわね」 「機械の…化け猫…」「化け猫はもういいってば、タバサ」 化け猫ネタを引っ張るタバサを窘るキュルケ。その傍らで、シエスタはクロを眺めていた。 性格は猫そのものだ。説明を始めたかと思えばあまりにも抽象的で、気まぐれに過ぎる。 だけど、シエスタにとっては些細な事だった紅茶の件。そこから解るのは、これまた猫のような義理堅さ。 シエスタの中で、クロへの興味が、枯れることのない泉のように湧き出るのだった。 「そう言えばヴァリエール、さっきのあの音は何だったの?」「音?」 キュルケから投げかけられた質問に、ルイズは記憶を探った。そして、ある一つの出来事に思い至る。 「あぁ…。クロがそのベッド持ち上げた時ね」 「その…ベッド?」「アンタが座ってる、そのベッドよ」 ルイズの指先が示すのは、キュルケが腰掛けている、ダブルベッドだった。 改めて、ルイズのベッドを見てみよう。外見はそこそこ質素だが、天蓋付きで、作りもしっかりとした物である。 彼女一人が寝るには、あまりにも大き過ぎる。重量は、100kgは下らないだろう。 「ちょっと待ってヴァリエール…あの子、コレを持ち上げたの?」 「しかも片手で軽々とね。アンタ…いや、私たち全員が乗ってても、余裕なんじゃない?」 「み、ミス・ヴァリエール…、私たち全員が乗ると、多分300kg前後になるんじゃないかと…」 「クロ、いける?」「さーな」 とぼけてみせたクロだが、実はやれるという確信があったりする。 以前、ミーくんと共に巻き込まれた、ロミオ主催の鬼ごっこ(敗北時は桜町消滅)において、クロは改造車『鈴木GM2』を持ち上げ、大遠投をやってのけたのだ。 しかもこの改造車、大量の武装やブースター(ウルトラミノフスキーマッハエンジン)を搭載しており、恐らくその重量は、軽く1tを超えていたはずだ。 「ま、やってみるわ。さー、乗った乗った」 ちょいちょい、と手を動かして促すクロ。それにしたがって、キュルケを除く3人はベッドに乗った。なぜか、正座である。 ベッドの上で落ち着かない4人。持ち上がるかどうか疑ってはいるが、仮に持ち上がったとしたら…? と言うか、持ち上がったとしたら、本気で怖い。 「そーら、よっと」 「あー…」「ひっ!?」「…!?」「きゃっ!?」 嫌な方向に事実が提示された。クロは、持ち上げてしまったのだ。先程のように、軽々と、女性4人を乗せた天蓋付きダブルベッドを、片手で。 しかも持ち上げている位置がベッドの縁である辺り、重心が作用点からズレていても、何ら問題はないようだ。 ルイズは脱力し、呆けた顔で天蓋を見上げていた。残りの3人は、姿勢を崩し、慌ててベッドシーツにひっ掴まった。クロは、相変わらず涼しげな顔だ。 と言うか、手持ち無沙汰な左手で鼻をほじっている。本格的に余裕らしい。 「降ろしていいわよー…」「あいよー」 気の抜けたやりとりの直後に響くは、寮塔を揺るがす轟音。衝撃は寮塔を震わせるに留まらず、ベッド上の4人を1メイルほど打ち上げた。 マットレスに着地した4人は、何かこう、全てがどうでも良くなってしまっていた。 互いに視線を交わし、その思いが共通のものであることを悟った彼女たちは、そのままベッドに身体を投げ出した。 「ヴァリエール、悪いけど今日はここで寝かせて…」 「気持ちは解るわ、ツェルプストー…今日は特別よ…」 「私も…ここがいい…」 「ミス・ヴァリエール…ごめんなさい…」 間を置かず、寝息の4重奏が始まった。ダブルベッドとは言え、4人で寝るには狭いだろう。 しかし、それすらも気にならない程の倦怠感と疲労が、彼女たちを襲っていたのだった。 「ったく、またかよ…」 呆れ返りながら、クロは窓から夜空を見上げた。 「月が2つ、ねぇ…」 桜町…いや、地球上では絶対にありえない光景だった。だが、クロにとっては驚く事でもない。 偽りの砂漠の大地、偽りの空、偽りの太陽と月。それらに比べて、この月のなんと幻想的な事か。 柄にもなく、クロは月を見上げ、心打たれていたのであった。 「新世界、か…」 タブーが打ち破った偽りの空の向こうに広がっていた、光溢るる新世界。 あの世界を思い出した時、決まってクロの記憶から蘇るのは、タブーを守る1体の戦闘ロボットだった。 サイボーグの体になってから、初めて『本当の名前』を打ち明けた相手。 仮に。仮にアイツが、人々と共に新世界に辿り着いたとしたら…アイツは、死に場所を探すのを諦めただろうか。 …別の道を歩んだだろうか。 「お前は新世界を見たくなかったのか…? なぁ、『バイス』…」 ランプとフレイムの尻尾の炎が揺らめく室内で双月を見つめ、クロは誰に言うでもない…届くわけもない呟きを漏らした。 前ページ次ページ機械仕掛けの使い魔
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気が萎えたので川原に行ってみた。 川原と云っても、そこは都会(まち)中を流れる河川であるから、長閑な景観など望めない。 薄汚い板塀やら黄ばんだ漆喰壁やらの不愉快な影が暗い水面に映り込んでゆらゆらと淀んでいる。 家屋が川岸ぎりぎりまで迫(せ)り出して建っているのである。 綺麗なものではない。 梅雨時の空は陰鬱で、明るくも暗くもない。見上げると、 お前なぞどうでも良いとばかりに投げ出されてしまったような気怠さが湧いて来る。 凪いでいる訳ではないが風を感じることもなく、寒くもないが暑いこともない。 ならば適温なのかと云うと、これが快適とは程遠い。只管(ひたすら)に鬱陶しい。 それは承知のことだった。 それでも、家にいるよりはマシな気がした。澱(よど)んでいようと穢(きた)なかろうと、 それで一層に落ち込んでしまおうと、私は水辺に行ってみたかったのだ。 もう少し歩くと、小振りの橋が架かっている。 そこまで行ってみようと、何故かそう思った。 理由は解らない。ただ朦朧とした意識の上に、橋の架かった模糊とした風景が想起されたのである。 その橋の袂(たもと)から川岸まで下りることが出来る。 その所為(せい)かもしれなかった。きっとそうだろう。 流れに沿って暫く歩いた。 橋はいつもと変わらぬ色褪せた粗末な姿を、 同じように色褪せた風景の中に、何の主張もなく曝(さら)していた。 それは、暈(ぼや)けた私の記憶の中のそれと寸分違わぬ暈けた景色であった。 私は奇妙な安心感を持つ。 恒久的に変化しない絵柄。 代わり映えのしない現実。 進歩がないことは素敵だ。 少なくとも――いつまで経っても時間の先端にあることを認めたくない(私のような)臆病者にとって、 或いは世間の矢面に立たされていることを自覚したくない(私のような)卑怯者にとって、 ――それは素敵なことなのだ。 泥で顔を真っ黒に汚した腕白そうな児童(こども)が三人ばかり橋を渡って来て、 私の脇を闊達に笑い乍(なが)ら駆けて行った。私は無表情にそれを眺める。 眼が渇いている。眠いのかもしれなかった。 瞼を?叩(しばたた)く。矢張り眠いんだ。 ――ああ、生きているのは面倒臭い。 そんなことを思う。死にたいと思う訳ではない。 ――死ぬ――か。 死ぬなんてとんでもない。 死ぬには労力が要る。そんな能動的な行為が今の私に出来る訳もない。 否、そうした劇的な変化を、今の私の神経はまったく受けつけないだろう。 私は橋の上に立って背を丸め、川面を見つめた。 目の奥が濁っているような、どんよりとした倦怠感に支配されている。 どこか遠くに行きたい。 ――逃げ出したい。 何から逃げる。 幼い頃から私は逃避し続けて生きている。 私は不器用で鈍感で、怠惰で、要するに駄目な人間である。 ただ日常生活を送っているだけで、私は自分が何ひとつ"まとも"に出来ないと云う現実に直面し、 恐れ戦(おのの)いて逃避を繰り返してきたのだ。 授業を抜ける、親の目を盗む、仕事を投げ出す――。 しかし逃げ出したところで何をする訳でもなかったし、また何かが変わる訳でもなかった。 それでも私は逃げ続けた。 それは幼稚な現実逃避であって、主義主張に基づく抗議活動などではなかったし、 臆病な私には刹那的に享楽を貪るような真似も出来なかった。 逃げ出したところで、私は精精、義務を放棄したことに対する罪悪感を噛み締めて震えるだけだった。 ただ震えるために私は逃げて、震えることで私は自分の境界を再確認した。 自分が無能であること。 自分が世界から必要とされていないこと。 それを実感することで、私は安心した。 私はずっと、逃走し、そしてただ怯えて、 再び元の場所に戻ると云う無為な運動を繰り返しているのである。 卑怯者なのである。 ああ、川の音がする。水が―― ―― ――― ―――― ――――― ―――― ――― ―― ― ああ、遠くで囁くような―― ―― ――― ―――― ―――――ご ――――ご免 ―――ご免な ――ご免なさ ―ご免なさい ごめんなさい 誰かが・・・謝っている。 誰だ?・・誰が?・・誰に? 謝らなくては、いけないのは私なのでは? 御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免 なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御 免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい 御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免 なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御 免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい 御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免 なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御 免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい 御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免 なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御 免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい。 目が覚めた、覚めてしまった。 時刻を確認する――11時前だった。 頬がひりついている、とても酷い夢を見ていたような気がする。 身支度を整えて、下に降りてみる。 言づけをもらった、 ――ちょっと出てきます、夕方までには戻りますので、その後どうするか決めましょう。 だ、そうだ。 前にもこんな事があったような―― 兎に角、私は部屋に戻った。 どうせ鳥口は写真でも撮りに行ったのだろう――呑気な者だ。 「鳥口が戻ってきたら東京へ帰る」 声に出して云ってみた――そうしてみると、決まった事柄の様だ。 ――いいかい関口君、話は解った。 京極堂は云っていた。 確かにそうなのだろう。 私の様な無能な人間には解らないのだ。 ――とりあえず君の出番は終わったんだ。 京極堂は云っていた。 確かにそうなのだろう。 私の様な無用な人間の出番は終わりなのだ。 私はいつもそうなのだ。 【時刻は6月20日<夕>」】 6月「園崎家頭首代行、園崎魅音です。本日は頭首お魎(りょう)に代わりまして出席させて頂きました。 ――さて不幸にして、オヤシロ様のお怒りは5年目にも下される事になりました。大変悲しい事です」 辺りに緊張が張りつめる。 「どうして今年も祟りがあったか。わかる方はいますか? ――それは祭具殿の禁を犯し、土足で聖域を踏み荒らし、穢れを持ち込んだからです」 ――なんちゅーーーことをッ!! ――あほんたれが・・!信じられん小僧どもだ!! ――ハラワタ引き裂いても飽きたりんガキどもしゃあん!! 辺りは怒号に包まれる。 ――オヤシロ様、お怒りをお鎮めください―――なむなむなむなむ。 ――なんて事を、なんて事を―――オヤシロ様オヤシロ様――――― 辺りは苦悩に見舞われる。 ――大体、あんな、ちゃっちい鍵に変えなければよかったんじゃ!! ――そうじゃ公由さん、あんた甘いからじゃ、責任の一端はあんたにもある。 ――すったら事云っても、梨花ちゃまにはあの大きい閂は難儀だったじゃろうに。 辺りは狂騒に囚われる。 【時刻は6月21日<朝>】 「僕もお邪魔でしょうから、梨花が呼ぶまで消えていますのです」 「――気が利くのね」 「――百年生きていても、梨花は梨花です。百歳の仙人には成れないのです。 ――梨花には年相応に悩んで、考える時間があってもいいと思います。 ――僕が梨花に、背伸びを強いたこともあるかも知れませんのです」 「――僕とおしゃべりしたい時は呼んでくださいです」 「もう泣きつかないの?私がこの世界で終わりにするのを撤回してほしいって」 「――梨花は頑固な人ですから。云えば云う程、逆効果になりますのです」 「くすくす。――流石、付き合いが長いだけの事はあるわね」 「――もう梨花も悟っている様ですから云います。――今日です」 「梨花が何をしても、しなくても、この世界は終わります。でも梨花が望めば次の朝も訪れる。 ――それはまたしても今年の6月かも知れないけれど、――朝は朝」 「――もっと小さい頃。毎日が退屈で、毎朝起きても 同じ日が繰り返されているんじゃないかって思った事がある。――それが本当になるだけの事だしね」 「・・・今日を有意義に生きてくださいとだけ、云いますのです。これ以上は何も云いませんのです」 「多分、今日だろうと思っていたけど、――あんたにはっきり云われると堪(こた)えるわね。 ――――矢っ張り終わるのね、今回も」 「はい。今回も終わりますのです。――いつもと同じ様に」 【始末の支度(肆)】 木場はある建物前にいた。 少し憂鬱な気持ちになっていた。 ビルの入り口のプレートには榎木津ビルヂングと書かれている。 ――あいつを連れ出すのは一苦労だからな。 木場は思う。 ――戦争の後はますます酷くなっている。 木場は考える。 ――昔は、ガキの時分は、可愛い奴だったのにな。 木場は嘆く。 ふと、テーラーの硝子に、四角い顔をした厳つい男を見つけた。 ――まあ、俺も人の事は云えねえか。 木場は呟いて、 幼なじみに会いに行った。 (支度の完了)
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ちらりと部屋の時計に目をやる。二本の針は見間違いようのない直角を示していて、今の時間が普段過ごすことのない深夜だということを俺に教えてくれた。 何故そんな時間まで起きているのかという理由については、さっきから俺の頭の中でくるくると踊るように回っている言葉を見て貰えば明白だと思う。 ……寒い……。 これ以上ないくらい単純な話だ。 なら、布団に入って眠ればいいのでは?という声が聞こえてきそうだが、残念ながら今の俺は布団の中にいて、その上で寒くて眠れないことに困っている。 朝の天気予報で言っていた「今日は暖かい一日になるでしょう」という言葉は、どうやら深夜の布団の中までは保証してくれなかったようで、いきなり舞い戻った冬の寒さは、春の陽気に油断して毛布を一枚減らした愚か者の体温を着々と奪っていった。 苦し紛れに足を擦り合わせても、体を丸めて布団にくるまってみても、俺の意識は綱渡りをするピエロのように絶妙なバランスで眠りと覚醒の間を行き来している。 ……何かに負けた気がするが、ここは素直に毛布を一枚引っ張り出そう。 半端な眠気と倦怠感に足を引っ張られながら、やっとの思いで布団を抜け出し押し入れを開ける。 「……あれ?」 だが、そこには俺の求めた魅惑の寝具は見当たらなかった。 「……あ、そうか」 ……どっちにしろ毛布はなかったんだ。 今夜はどっかの誰かさんが妹の部屋にお泊まりするために我が家から寝具が一組消えている。 その誰かさんは、いつものように俺に勉強を教えに来ただけのはずなんだけど……夕方になると何故かお袋と一緒に夕飯を作っていて、いつの間にか家族の団欒に溶け込んでいて、気が付いたらお泊まりが決定していた。 ……今考えると妙な話だ。誰かの陰謀すら感じるな。 ……まぁ、そんなこんなで、すっかり忘れていたが毛布は目下貸し出し中だったんだ……。 ……くそ。 人様の毛布にくるまってぬくぬくと眠る誰かさんを想像すると、言いようのない怒りが込み上げてくる。 ……が、 「……布団に戻ろう」 ……そんな怒りも着実に冷えていく体を暖めてくれるはずもなく、今の俺には布団に残った僅かな温もりを逃がさないことのほうが大事だった。 「……う」 ……やっぱりちょっと冷えてるな。 全く無駄な行動をしたものだと自分のうっかりさ加減を呪う。 ……ったく、あいつが俺の毛布を気に入らなければ……いや、いい。寝よう。目を瞑ってたら寝れるはずだ。 俺はいつもなら敵に回ることの多い睡魔に檄を飛ばしつつ、ぬるま湯のような中途半端な眠気の海に身を投じていった。 より暖かい姿勢を求めてもぞもぞと体を動かす。いい感じで意識が朦朧としてきているものの、まだ完全な睡眠には至っていない。 あれから数時間ほど過ぎたようにも感じるし、まだ数分しか経ってないようにも感じる。相変わらずピエロは綱渡りを続行中だ。 このあと熟睡出来たならともかく、これが朝まで続いたら間違いなく最悪な目覚めを迎えることだろう。 ……湯たんぽでも何でもいいから、何か暖まるものがあれば眠れるのに……。 俺がそんな考えを浮かべたのを見計らったように、ミシリとベッドの上に俺以外の誰かの重みが乗った。 こんな夜更けに俺のベッドに潜り込んでくるヤツなんか我が家には一匹しかいない。 ……シャミセン?なんだいたのか。 「……そういや、お前がいたな。よし、こっちに来い」 これ幸いにとベッドに乗ってきたシャミセンを抱き寄せる。 しかし、普段なら頼まなくても勝手に布団に潜り込んでくるシャミセンだが、今日に限って激しい抵抗を見せた。 「痛っ、コラ、暴れるな」 それとお前太ったか?なんか重いぞ? ぼそりと付け加えるようにそう呟く。すると、シャミだと思っていた生物が否定の言葉を口にした。 「な!?失礼ね!太ってないわよ!」 「……ん?」 ……ハルヒ? 「……そうよ。誰と勘違いしてたのよ?」 いや……シャミと……って、あれ?それより、お前は妹の部屋で寝てたはずじゃ? 「あ……それは……その……ちょっとだけ寝顔を……」 ……まぁ、この際どうでもいいや。 「え?」 寒いから一緒に寝るぞ。 「は?なんの冗談……ひゃう!」 ベッドの上に四ん這いになっていたハルヒをくるりと布団に引きずり込む。 はぁ~……暖かい。 「ちょ、ちょっと!さては、あんた寝呆けてるわね!?は、離しなさいよ!」 おやすみ~……。 「こんな所を家族の人に見られたらどうするのよ!?……こら!本当に寝るな!バカキョン!」 Zzz……。 「キョーン!」 翌朝、清々しい朝日に目を細めつつ、どこか茫然としながら俺は一人呟いていた。 その呟きは、まるで他人事のように空々しく聞こえ、俺しかいない部屋に溶けて消えた。 「……何やってんだ、俺」 何をって……それは、ただ行動だけを言葉にしてみれば原稿用紙半分にも満たない、その程度の出来事だ。しかし、それを言葉にするには些か混乱し過ぎている。 ……よし、何も考えずに事実だけを整理してみよう。 昨夜は寒かった、眠かったけど寒くて眠れなかった、だからハルヒを抱き枕にして寝た、以上。 「……って、以上じゃねぇ!」 寝呆けていたとはいえなんつー行動をしてんだよ! 出来ることなら眠れない夜が見せた夢であって欲しかったのだが、部屋の状況は俺の希望をやすやすと打ち砕いてくれた。 ぽっかりと一人分空いているベッドのスペースに、昨日貸し出したはずの毛布。そして、微かに残る俺以外の体温と思いの外鮮明に残っているハルヒの感触……。 ……うん、柔らかかったな。 「…………」 ……いや、トリップしてる場合じゃないだろ。 問題は否応なしにこの後ハルヒと顔を合わせなければならないってことだ。 「……どうする?」 いくつかの提案が俺の頭の中を飛び交う。議題が議題なだけに、脳内会議はどこぞの国の国会のように荒れに荒れていた。 『だから!覚えてないで通すんだよ!』 『あのハルヒ相手にそれが通る訳ないだろ。素直に謝っとけ』 『そんなことするくらいなら俺は死を選ぶ!』 『大袈裟すぎやしないか?』 『……だるい、眠い』 『お前も真面目に考えろよ!』 『……長門を頼れば?』 『いくら長門相手でもこんな恥ずかしい話が出来るか!』 『そうだ。いっそのこと、これ以上の既成事実を作ってうやむやにしてしまおう。一石二鳥だろ?』 『急進派は話をそっちへ持っていこうとするな!』 『Zzz……』 『寝るな!穏健派!』 「…………」 こんな混乱した思考では考えがまとまるはずもなく、 「……顔でも洗ってくるか」 ひとまず頭をすっきりさせようと俺は洗面所に足を向けた。 ……冷静に考えればこの後に起きる事態も想像出来たはずなんだが、そんな判断が出来るほど落ち着いていれば、そもそも顔を洗ってリフレッシュするまでもなく打開策が浮かんでいた訳で。 だから、この仮定の話は全く意味はない。意味はないが……それでも一分前の俺に非難の声を上げずにはいられなかった。 ……こういう可能性があることくらい気付けよ、と。 もう何があったかお分かりだろうが、一応言葉にしておこう。 ……洗面所にはハルヒがいた。 「…………」 あからさまに何か言いたげな視線を俺に投げ掛けてくるハルヒ。 うん、これで確定した。幸か不幸か昨日のあれは夢じゃない。 事前にシミュレーションする暇もなく、いきなり敵の前に放り出された俺は、自分でもどこか無理を感じながらも脳内会議で一番最初に出た案を採用した。 つまり、俺は何も気付いていない、昨日のことは覚えていない、昨夜俺は一人で寝た。そういうことだ。 ハルヒが口を開くより先にこちらから話を振る。 「おはよう。昨夜は寒かったけど、よく眠れたか?」 ……我ながら白々しい台詞だ。 「……誰かさんのお蔭で鬱陶しいくらい熱かったわよ。そのせいで眠れなかったけどね」 ……いきなりキツイな、おい。 「そ、そうか。まぁ、今日は休みだし問題ないだろ」 「まったく……誰のせいだと思ってるの?」 「……なんのことだ?」 「あんた、覚えてないって言うつもり?」 「……さっきからイマイチ話が見えないぞ?」 ハルヒは直接的な表現を避けて遠回しにこちらを攻める。チクチクと居心地の悪い空気に、早くも急進派と穏健派が白旗を振った。 えぇい、根性なしめ。ここまで来たら知らぬ存ぜぬで押し通すしかないだろ! 「それより顔を洗いたいんだ。蛇口使っていいか?」 「あくまで白を切るつもりなのね?」 ふぅ、と一つ息を吐き、ハルヒはこちらを見据える。いよいよ核心を突くつもりのようだ。 ……よし、どんな追及が来ようと白を切り通すんだ。ここさえ乗り切ればどうにかなる……多分。 俺は軽く息を飲んで、ハルヒが繰り出すであろう豪速球に対して身構えた。 ……が、 「……一つ言っておくけど」 「……なんだ?」 「……さっきから顔が真っ赤よ、バカキョン」 「……」 ……ハルヒの決め球は反則投球だったようだ。 想定外の攻めにこちらが言葉に詰まったのを見ると、ハルヒはニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべて止めを刺しにくる。 「何がそんなに恥ずかしいのかしら?」 「……う」 「エロキョン」 あっさりと形勢が決まってしまい、最早俺が何を言っても誤魔化すことは出来ないだろう。 このまま為す術なくサンドバッグのように滅多打ちにされることが敗者にふさわしい末路なのかも知れない。 ……けれど、勝ち誇るように腕を組むハルヒを見て、俺の中で何かがキレた。 「……お前だってしばらく出ていかなかっただろ」 「な!?」 「抱き締められたらすぐに抵抗やめたしな」 「~~ッ!」 「エロハルヒ」 「や、やっぱり覚えてたんじゃないの!」 「う、うるさい!全ての元凶はお前が毛布を持っていったことだろうが!」 「意味が分からないわよ!バカキョン!大体あんたがなかなか離さなかったから出て行けなかったのよ!」 「う……な、なら起こせばいいだろうが!そしたらお前なんか布団から放り出したさ!」 「なんですって~!?」 「……お母さ~ん。キョンくんとハルにゃんがケンカしてるよ~?」 「それは仲のいい証拠だから放っておきなさい」 「そうなの?」 「あれが二人のコミュニケーションの取り方なのよ」 「ふ~ん……?」 「あとで『夫婦喧嘩は犬も食わない』って言葉の意味を二人に聞いてみなさい。あ、お母さんが言ったってのは内緒ね」 「わかった~」 「エロキョン!」 「エロハルヒ!」 END
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人は睡眠中夢を見る。様々な場所に行き、触り、行動をする。それは人により違い、変貌し、気分に崩され‥‥その内容の七変化は、まさに目まぐるしいとしか言えない。 例えば、夢の中で道に落ちていた本を拾ったと仮定する。そうすると、次の日眠った時に夢はどう変化するのか‥‥まず、夢を全く見ないという事が考えられるだろう。はたまた違う夢を見る、という可能性もなくはない。 もしかしたら同じ夢を見る‥‥なんて事もあるかもしれないし、ドラマの様に夢を続きから見る事も出来るかもしれない。 『夢』というのは須く曖昧で、そして矛盾している。見たい物は見れず、見たくない物を見てしまう‥なんて事例が大半だろう。 前者の例えは正月。俗に言う「一富士二鷹三茄子」を指す。その意味は個々でも区々だが、要は正月の夢ベスト3だ。 そのいずれかを見れたのならば、新年最初の目覚めとしては十分に申し分なく、本人の脳は一時、幸福感を味わうのだろう。 しかしそれで盛り上がろうとも、それは大晦日から元旦にかけての一夜に限る話であって、二、三時間もすれば記憶の片隅に、一日もすればそんな夢など、元旦に因んだ豪華な料理や行事等を前に忘却してしまうのがこの世の常なのだ。 そんな些細な占い的出来事に一年を願掛けする事など、過半数の人間にとってはあまりその意味を成さない。 それでもあたしは、この誰が決めたのかすら不明な、日本一の山と攻撃的な鳥と紫の野菜の夢を正月に見ようとして、部屋中に山の写真や鳥の囀りテープや茄子を転がし、眠りに就いた事がある。 それはなぜ?と聞かれても、ランクが付くものは目指すものだ。と、あたしがそう解釈をしているからだ。 この説明で納得出来ない人がいたとしても、あたしには関係ない。そいつに何の興味も持たないし、ましてや解り合おうとも思わない。 そりゃそうでしょ?なぜならば 他人がある芸能人に過剰に入れ込んでいるのを見て、そいつの背中に指を差し「なんだ?あいつ。」と失笑できる事や、そして自分好みの芸能人を小バカにされ、さも自分の全てを否定されたかのように激怒し、または憂鬱になる事と同義だからだ。 結論を言えば、あたしが何事も全力を尽くす、という事に他者の思考が介在する余地など全く持って皆無なのだ。 つまり、他者はあたしを理解できない。そしてあたしは他者を理解しない。それで構わないし、寧ろそれでいい。 後者の例え。世間では『高所から落下する夢は、それとは逆に運があがっている証拠』‥なんて言われているけれど、あたしに言わせればそれこそおかしな話だ。なぜ運が向上してるからといって当の本人が落ちる夢など見なくてはならないのか。 仮にその類の夢がそうなる運命にあるのだとしても、自分が落ちゆく夢など誰一人として見たくはないだろうと思う。 逆に、落ちる夢が見たい!なんていう人がいたとしても、それは余程のスカイダイビングマニアか麻薬中毒者に違いない。 百歩譲って空を飛ぶ事が物理的に不可能としても、夢の‥自分の脳内世界位は、落ちずに飛んでいたい‥とあたしは思う。 それが、たかだか数時間の睡眠だとしても、夢ならば夢らしく‥思うがまま眠りたい‥と。誰でも一度は望んだ事がある筈だ。だから、あたしの願望さえも罷り通らない夢ならば、それは自分の夢であって自分の望んだ夢でなく、見たいとは思わない。 朝の強い光にあたしは重い瞼を開き、鈍る体を起こした。‥‥時計を見る目も虚ろなまま、それを見てさらに倦怠感が増加した。 どうやらまた、あまり睡眠をとる事が出来なかったようだ。それは自分が夜遅くまで物思いに耽っていた所為でもあるが。 未だに寝ぼけた眼を擦りつつ、あたしの不機嫌の根源とも言える「普遍的」な夢の片鱗を思い出して深く溜息をついていた。 だが、ここがある意味『夢』の興味深いところだ。身支度をしたり朝食を摂ったりしていると、夢は脳の片隅に追いやられる。 そしていつしか曇りガラスを被せたように朧気になっていき、最後にはその片鱗すらも跡形もなく忘れてしまうのだ。 現にあたしの思考は学校に移っていて、垣間見たはずの普遍的空想物語は頭の隅からその存在を現す事はなかった。 中学最初の六月も最後の週に掛かり、太陽がその猛威を遺憾なく発揮している。本格的な、夏の到来を感じさせていた。 しかし、熱波を送る太陽も、それにより滲み滴る汗も、纏わりつく湿気も眼中にない程、ある懸案事項に頭を悩ませていた。 それは、忘れもしない‥‥あたしの世界を根底から震撼させた、あの野球場についてだった。 あれから、あたしの価値観は今までのあたしの全てから顔を背けた。いや、正確に言えばあたし自らがそう仕向けたのだ。 あたしはあの時から、あたしがたった一握りの選ばれた存在になるために、何をしたらいいか‥‥その答えを追い求めてきた。 しかし、あれから既にかなりの日数が経過したというのに、あたしの頭は未だにその具体的目標を定めてはいなかった。 辿り着くべき目的地は分かっている。分かっているはずなのに主立った標識も道標も、その影すら掴めないままに、 あたしはただ闇雲に走り回り、躍起になって「普通」や「一般的」という、殆どの人が当てはまるような言葉を拒み続けていた。 七月に入った。周囲の‥特に、精神病に心を煩わせている人間達は、行事に託けて祭りやらデートやらの計画を立て始めていた。 ‥‥そんなクラスメート達を一睨みし、あたしは少し前に見た、あの「夢」を思い出していた。 ‥‥高校生になった自分が、個性溢れる仲間達や想いを寄せる彼と一緒に、目まぐるしい日々を送る‥‥そんな夢を。 普通を拒み、恋愛を精神病と勝手に認定したあたしが、なぜこんな夢を‥‥しかもかなり現実味を帯びた夢を見たのだろう? ふと、その集団の誰かを思い出そうと試みた。だが、やはり夢というのは、曖昧で虚ろな空想なのだろうか。 顔を思い出そうとすればする程に、逆に靄がかかったように不鮮明になり、結果それらは忘却の彼方へ消えてしまった。 太陽の、物理的かつ精神的な波状攻撃は未だやまない。その熱をようやく感知して鈍くなっていく思考回路に、 突如としてイレギュラーな発想が浮かんだ。それはあたしにとって、何の気なしに考えたような些細なジョークだった。 『もしあたしが高校生になった時この夢を覚えていて、もし夢の通りだったとしたら‥‥あたしは予知能力者ね。』 【‥‥何を言ってるの?そんなのはいやしない。いい加減諦めたら?あんたは所詮、一般的な一人に過ぎないのよ?】 そう。ただの冗談だった筈なのだ。しかし、常識的かつ一般的なあたしが、その冗談に過剰なまでの反応を見せた。 怒りを露わにしながらも溜息をつき、嘲笑している。あたしはそれに気付き、慌ててそれを振り払った。 普通や常識を捨てると決意した時点で、あたしのそれは屁理屈と我が儘とで覆されていた。そのあたしに真っ向から反論する。 予知能力がない、とどうして言い切れるの?なんとなく、虫の知らせ、女の勘‥‥そういうのも同じ部類ではないのか。 ‥‥そうだ。そう考えると、宇宙人だって同じ事が言えるじゃない。いないいないと言いつつも、数々の目撃例があるのは何? その殆どが偽造としても‥‥それでも宇宙人を仕立てあげるのは、少なからずいてほしいという願望があるからじゃない。 超能力も同様だ。自ら名乗る人もいる。TVで暴かれたりしてるが、それこそ超能力を隠蔽しようとする三文芝居の様に感じる。 未来や異世界から侵略者、そういった類の者がくる映画を作成している人も、そういう映画を第三者が好むから作るんじゃない。 普通に考えたなら仮想の中の空想よりも、とんでもない妄想の世界に生きる彼等を、あたしは無理矢理に肯定した。 だってそっちの方が面白いでしょ? ‥‥そうだ。一番の根本を忘れていた。あたしは、あたしだけの不思議で奇想天外な面白い事を探し出せばいいんだ。 その考えは、常識的なあたしの前を一瞬通過して、あたしの脳内会議にかかったが、明らかに結果は見えていた。 なぜなら、その考えを思い付いた瞬間、あたしの心臓は歓喜のリズムを打ち鳴らし、胸を踊らせていたからだ。 何から始めたら、どういう行動をとればいいか‥その答えさえ目的地を決めたあたしにとって、足し算を解くより容易な事だった。 そう‥‥いつだってあたしの疑問に対する答えは、このあたし自身の胸にあるのだから。 今日は七夕‥織姫と彦星が天の川を渡り、年に一度の再会を果たす日。人々がベガとアルタイルに己が願いを伝える日。 あたしの願い‥‥それは、あたしという確固たる存在を全宇宙に伝える事。 願いを伝えるが如く、行動を起こす。数日前に考え付いた方法だったが、何とか日没までに準備を整える事ができた事だし。 実行する頃には、太陽が一時の別れを告げながら山の麓に姿を消し、同時に月が何処からともなく顔を出すだろう。 月明かりなんていうものは太陽のそれと比較すると、どこかの大富豪屋敷のホールにありそうな巨大シャンデリアと、電池切れ間際の乾電池を使用した豆電球位の違いがあるからして、辺りは虚しく闇に支配される事になるのだろう。 心臓が少しずつ高鳴っていく気がする。当たり前か。これからあたしは、己が道への第一歩を刻もうとしているのだから。 無闇に歩みを進めてきた日々とは違う。今度は‥‥道の先にはしっかりとした道標が、佇んでいるのだから。 あたしはここで生まれ変わる。奇異の目で見られ悪態をつかれて後ろ指指されても、あたしはこの歩みを絶対に止めない。 あたしは目の前に照らし出されたこの道を、真っ直ぐ、ただひたすらに突き進むだけなのだから。 一枚の紙に書かれた、一般人が見たら記号とも文字とも区別がつかないものに目を落とす。 短冊に収まりきらず、ルーズリーフに書き、校庭に描こうとしているその模様の意味‥‥それは これからの、新しいあたしに必要な、最初の決意。(迷いなどない。) あたしだけの目的地に向かう、最初の一歩。(恐れも感じない。) そして‥‥(ただ‥‥) 全宇宙に対する‥‥最初のSOS。(‥‥誰かあたしに気付いて‥‥) 『私はここにいる』 あたしは空を見上げながら、一人そう呟いた。不意に一筋の煌めきが天の川をよぎり、空の彼方に消えていった。 END
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咲の悩み事 1日目 “愛”って何だろう? “恋”って何だろう? 私は最近よくそんなことを考える。 別にそれは最近読んでいる本が恋愛小説モノばかりだから、とかそんな理由ではない。 その理由は、私に好きな人がいるからである。 私の幼なじみで、言い方を変えると腐れ縁。 毎日毎日「レディースランチが旨そうだから」と言う理由だけで私をお昼に誘う酷いけれど憎めない男の子。 きっと今日もまた誘ってくるのだろう。 「咲ー!」 「京ちゃんっ」 そう、京ちゃんもとい須賀京太郎だ。 「また寝てたのか、咲は」 「もー、今日は寝てないもん」 「そんなことよりさ、咲。今日のレディースランチも旨そうなんだよな、付き合ってくんねーか?」 「それだけのために私を誘うってどうなの。大体優希ちゃんだっているでしょ」 本当に心にもないことを言ってしまったと思う。 最近はいつもこんな感じだった。 きっと自分とは違って積極的にアプローチ出来る優希ちゃんが羨ましいのだと思う。 また、最近京ちゃんは、優希ちゃんばっかりに構ってるからむしゃくしゃしているのかもしれない。 この良く分からない気持ちが「嫉妬」なのかな? それに、優希ちゃんはことあるごとに京ちゃんに抱きついたりアプローチしている。 私も優希ちゃん以上のアプローチをしないと優希ちゃんに京ちゃんを取られてしまうかもしれないというのは分かっている。 だけど、そうは言っても優希ちゃんが普段やっているような大胆なアプローチを自分がやっているのを想像すると、 (顔が熱くなってそれどころじゃないよぅ) 今の私はたとえば京ちゃんと手をつなぐことだってどきどきしちゃってそれどころじゃないと思うし、それ以外だって…… 要するに私は恥ずかしくて思い切ったことが出来ないということなんだ。 ――と、考えていると京ちゃんの 「あいつは和と弁当だろ、誘っても来ないって」 という言葉で現実に引き戻される。 私は、今日は京ちゃんと2人っきりと言う事実に少し嬉しく感じながらも、 京ちゃんの口から出た「和」という単語についてまた考え込んでしまう。 (そうだよね、京ちゃんは原村さんのことが好きかもしれないんだ) ことあるごとに京ちゃんが原村さんのことを見て顔をにやけさせていることに私は気づいていた。 気になる相手のことだからこそ。そしてさらに、京ちゃんが原村さんの大きいおっぱいばっかり見ていることも知っていた。 (きっと、京ちゃんはおっぱい大きい方が好きなんだろうな…… でも、私原村さんみたいにおっぱい大きくないし…きっと私はまだこれからだと思うんだけど………そうだと良いんだけれど…) もしかしたら京ちゃんは大きなおっぱいが好きなだけで原村さんが好きなわけではないのかもしれない。 だけれども、それはそれでおっぱいの小さい私には大きな危機といえた。 ――と、京ちゃんが私の顔をのぞき込んで不思議そうに聞いてきた。 「咲…?どうしたんだ、急に黙ったりして」 「ううん、何でもないよ」 「よし、それなら食堂に行くぞっ」 「あっ、待ってよ京ちゃん!」 「早く来ないと置いてきますよ?」 「むー、私がいないと京ちゃんはレディースランチが食べられないんだよ!」 「おっと、そうだったな……じゃあ行きますか、お姫様?」 京ちゃんがかしこまって手を差し伸べてくる。 「っ~~、ホントに調子良いんだから!」 少し。 少しだけ。 ほんの少しだけ京ちゃんに「お姫様」って呼ばれたことににドキッとしちゃったことは、 ……秘密なんだよ? * 「原村さんは好きな人とかっている?」 部長の「さあ、全国大会まで残すところ1ヶ月よ! 今日も張り切って打ちましょう!」 という言葉で始まった本日の部活も終わって、原村さんと一緒に家に帰っているときに私は思い切って聞いてみた。 本当はこういうことに詳しいのは部長や染谷先輩なのかもしれないけど、 部長は妙に勘がいいし、染谷先輩は家の手伝いがあるって言って部活が終わってすぐに帰ってしまったから聞けなかった。 「す、好きな人ですか!?」 「うん、そう」 「わ…私は宮永さんのこと好きですよ」 原村さんは何故か顔を真っ赤に染め上げて、とても小さい声でまるで絞り出すようにそう答えた。 (違うんだよ、原村さん。その“好き”は友達としての“好き”だから、私が今抱え込んでるものじゃないの) 私は原村さんがそういう反応を返すかもと、予想していたし、だからこそ初めからだめでもともと感が有った訳だけど、 やっぱり頼りにしていた原村さんが見当違いの答をしてきたことに、少しがっかりしてしまった。 でも、私はそれをあからさまに表に出すと原村さんを傷つけてしまうと思ったから心の中でため息をつきつつも、原村さんに返した。 「ありがとう、原村さん。私も原村さんのこと大好きだよ」 * チャプン…… 「はあぁぁ~…」 家に帰って入浴中。そこでも私は悩む。 ……なんか最近私、毎日お風呂の中で悩んでばかりだな、と思った。 それは毎日のぼせてしまうほどで、ついには3日前お父さんに「長風呂はあまり体に良くないんだぞ」と怒られてしまった。 だが今日、明日、明後日はお父さんが出張で家にいないので、心置きなく長風呂する事が出来る。 それは私にとって誰かに邪魔されないで独りで考えることが出来る時間があるということに等しく、とても都合がいいことだった。 …とは言ってもやはりこればかりは何分悩んでも、何時間悩んでも、何日悩んでも、簡単に答が出るものではなかった。 「京ちゃん…私どうすればいいの…」 と、私の手ははいつものように自分のおっぱい、その大きさに少しだけ自信のないおっぱいに伸びて、揉み始める。 初めはゆっくり、撫でるように、ほぐすように揉む。そして私は、その頂点にあるピンク色の突起に触れた。 「んっ……」 まるで微弱な電流が走ったような気持ちよさに思わず声が出そうになって、私は慌ててその声を押し殺そうとするけれど、 すぐに今日はお父さんがいないためその必要はないことに気が付いて、本能に任せることにする。 「ふあっ…………っんあ!」 私は、今自分の乳首を押したり引っ張ったりしているのは京ちゃんの指だというふうに考える。 そう考え始めだした瞬間、体を流れていた微弱な電流はいつしか微弱ではない、今までよりひときわ強いものになった。 だから、私の想像の中の京ちゃんがいじり初めてすぐに私の乳首はとても固く尖り初めていた。 自分でも比べる人がいないのでよくは分からないけれど、きっと感じやすい体質なのだと思う。 「んっ……ふあっ……っあ」 ついには、そろりそろりと私の想像の中の京ちゃんは指を私のおま○こに伸ばす。 そして、その指がおま○こに触れた瞬間、 「んああぁっっ……!!」 今までとは比べものにならないほど大きく強く鋭く、そして何よりも気持ちいい電流が体を駆けめぐる。 私のおま○こはお湯の中でも分かるぐらいに濡れていて、京ちゃんがそこをかき回すと お湯の中なのに私の耳にグチョグチョという、いやらしい音が響くほどだった。 「ふあっあっ、んああっ……きょ、ちゃん…激しすぎるよぅ……っあ!」 今度は京ちゃんは無我夢中で私のおま○こをなめ回している。 お湯の中とかそういうこともお構いなしだった。 舌を挿れたり、クリトリスを吸ったり、私の感じるポイントを狙って攻めてくる。 「ゃやあぁぁ……っ!」 ……やがて、私は自分の絶頂が近づいているのを感じた。 京ちゃんは自分のおち○ちんを取り出すと、私の中に強引に押し込んでピストン運動をする。 十秒ともつことなく、私はすぐに絶頂に達してしまった。 「んあああああああ…………っっっっ!!」 この瞬間、この一瞬だけ私は幸せな気持ちになることが出来る。 しかし、その一瞬が過ぎれば、私と毎日幸せな日々を送っている京ちゃんは消えて、 私の中には果てしない虚無感が残るのみとなってしまう。 「…………京ちゃぁん……」 例え毎晩毎晩、何度自分を慰めてもその想いは満たされない。 そして私は絶頂の後の束の間の幸福感を求めて夜な夜な自慰、オナニーに走ってしまうのだった。 * しばらくして、絶頂後の倦怠感が無くなった私は自分の愛液で汚れてしまったお湯を 捨てて(こういうのってなんか恥ずかしいよね)、パジャマに着替えると自分の部屋に戻った。 ベッドに飛び込んだ私はしばらくぼぅっとしていたが、浮かんで来るのは私の名前を呼ぶ京ちゃんばかり。 『咲、お前また寝てたのか?』 『それでな、咲。レディースランチが旨そうなんだよな』 『咲、お前麻雀出来るの?』 咲、咲、咲―――頭の中で京ちゃんがその名前を呼ぶ。 それは、いつまでも消えることないように思えたが、だんだんと小さくなっていき…遂には消えてしまった。 ――もっと。 もっと私の名前を呼んでほしい。 その力強い低めの声で「咲」って呼んでほしい。 いつの間にか、私は自分の瞳から水滴が零れ落ちるのに気付いた。 私、こんなに京ちゃんのことが好きだったんだ。 幼なじみの男の子。小さい頃からよくお姉ちゃんを入れた3人で遊んでて。 だけど、今まではっきりと自覚したことはなかった。 この気持ちを。 愛を。 私は京ちゃん、須賀京太郎のことを愛している。改めてそのことに気づかさせられる。 ――だけど。 消極的な私が京ちゃんと結ばれるなんて、そんな事は決してないのだろう。 そう思うと余計に哀しくなってきた。 「うっ、うっ……グス…京ちゃん……私、おかしくなっちゃうよぅ……」 私はたまらなくなってそう呟いてしばらくの間、俯いていた。 が、いつものようにやり切れなくなってしまい、やがてベッドの上で再び自分を慰め始めた。 京ちゃん、京ちゃんはきっと知らないよね。 私がいつもいつも読書中に寝ちゃってるのは毎晩毎晩、京ちゃんのことを想って 自分を慰めるあまり寝不足になって、だからつい昼休みにうたた寝をしちゃうんだってこと。 私は、決して満たされることはないのを知っていながら、それでも何もせずにいられないから、自分を慰め続ける。 本当は、こんなこと考えずに今は全国大会1ヶ月前だし、お姉ちゃんと仲直りするためにも、 また家族一緒に暮らすためにも、麻雀に専念した方がいいんだよね?しなくちゃいけないんだよね? ……でもね、それが出来ないの。いつ、何処にいても、何をしていても、貴方のことが気になるから。頭から離れないから。 …………私…どうすればいいんだろう? ――ねぇ……京ちゃん? 1日目終了
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Last update 2008年04月12日 踊れないリズムはいらない 著者:AR1 私の頬に、自然に笑みが浮かんできた。様々な色が混ざり合った照明を反射する虹色のミラーボールが宙に浮いているのを見て、または『レッツ・グルーブ』の機械的に加工(エフェクト)のされたヴォーカルが聴こえると、もしくは重低音の衝撃腹部から頭頂部へ突き抜けるたび、私の中にはリズムが躍動した。それは外から揺さぶられているのではなく、記憶が揺り起こす衝動だった。 たまたまディスコに誘うことが出来た友人が言う。「よくそんなに踊れるわねぇ」 私は揺れる身体を止めずに、我ながら器用に思いつつ答えた。「こんなことが出来るのは若いうちだけよ」 そうやって何時間を腰をくねらせる儀式に狂っていたのだろう。自己の熱と周囲の熱気に当てられ過ぎたのか、私は倦怠感を催してしまった。うっすらとかいた汗のせいで、少々癖のあるミディアム・ヘアが頭皮にへばりついているような感じがする。 入場口の方に戻ってオーバーヒートした私の体を冷まそうと考えた。まだディスコのホールから退場する時間には早い、と私は一瞬だけ浮上した弱音を一蹴する。「強がりはよして、カラオケでも行って夜を明かそうよ」と友人は進言して来たが、耳を貸すつもりはない。 防音仕様の重々しいゲートを開いて階段を下りると、正装した清潔な井出達の男が二人いた。見張り番役を任命された係員だった。風に当たって休んでもいいか、と許可を求めると、二人の係員が同時に顔を見合わせる。どうしようか、という目の会話がしっかりと聞き取れた。彼らには、店の経営に関わる些細な権限すらも与えられていないのだ。 二十秒ほど待たされて、少しだけなら、ということで了解を得られた。話の分かる人でよかった、という気持ちを込めて、俯いているのかどうか判別できないほど俯角の浅いお辞儀と「ありがとう」という言葉を残し、ゲートを抜け、そのすぐ傍に突っ立っていることを決め込んだ。 闇夜と喧騒をアスファルトと道路が擦れ合うノイズが引き裂く。私は約束の相手が来ない恋人のように頭を垂らしていたが、反射的に顔を上げる。分厚い面のロールス・ロイスが、静かなくせに野太い排気音とともに視界を左へ横切る。そして、反対側から対向して来た、同じ面をした車を追いかけようと頭を右へ振った。ロールス・ロイスなのかは分からなかったが、ボンネットに銀色の天使を乗せてはいなかった。 私の目の前には、様々な色に塗られた豪勢な車が通り過ぎていった。フェラーリ、ランボルギーニ、メルセデス・ベンツ、BMW、リンカーンのリムジン……他にも一昔前には珍し過ぎてお目にかかれない車種もあったが、それらの正体を暴けるほどの好奇心はなかった。ただ、高級車を所有出来る人に声をかけられたいという願望を振り払うには、私はまだ若過ぎた。車は所有者の財産を計る単純明快なバロメータである。 「私みたいな人、たくさんいるんだろうねあ。きっと」 私みたいな、というのは「私のような現金極まりない考え方」を意訳したものである。もっと年を食えば、露骨な羨望は角を丸め、異国での出来事のような他人事でしかなくなるに違いない。 春一番の来襲が三週間ほど前に訪れたとは言え、深夜の一時という時間で夜風に当たるという発想は、寒がりの私にとって無茶が過ぎたのかもしれない。ベルボトム・ジーンズに守られた下半身はまだしも、黒のロングキャミを纏った上半身には辛い。もっとも、暑さにも弱い私が夏にディスコに来ていたら体中の水分が塩分とともに抜けて、干からびた死体となって悪臭を振りまいているのかもしれないけれど。 ふと、右方から足音がした。私の前を数える気にすらならない大勢の人々が通り過ぎて行ったが、なぜかその足音だけは鼓膜ではなく、骨振動を通しているかのような異次元のダイレクト感で飛び込んで来た。首をそちらに曲げると、ボロ布の衣服に裸足の女性がディスコの中に吸い込まれて行った。私の経験の中では、尾崎豊が死んだことの次くらいにショックな出来事だった――ヒッピーの少女がクラブに入ったことではなく、入口で門前払いを食らわなかったことが。 私は眼を思いっきり見開き、しかし疑念は喉を振動させるだけで発声すらままならなかった。着飾っていないという次元の話ではない。これでは、大枚をはたいて衣装を調達している自分が馬鹿らしくなるではないか! 憤りが麻薬のように作用したのかもしれない。骨が金属に挿げ替えられたように重かった私の足が急に軽くなる。高揚した気分に身を任せてディスコのホールに戻ると、『ライディーン』がフェード・アウトして『ボーン・スリッピー』のレコードに針が落とされようとしているところだった。私は古臭い音より新しい音の方が好きだったので、ちょうど良いタイミングに戻って来れたことが嬉しい。 ディスコの中を見回しても、私の目の中に一際目立つであろうヒッピーの少女の姿はなかった。フロアは広大だったが、どこからともなく詰め掛けた客の中に紛れてしまったようだ。異質なものは避けたがる人間の習性があれば少女を遠ざけるように空間が出来ると思ったのだが、ノッている客達にすれば些細な異物なのかもしれない。 レーザーが私の頭上を駆け抜け、陶酔するような声には思わず快感を抱かずにはいられない。しかし、今はダンスする以外の用事を優先的に片付けたかった。少し冷静になって考えると、なぜドラッグを提供しないディスコにヒッピーの少女が何の用があるのだろう? 青い照明がスモークを突き抜け、黄緑のスポットライトがお立ち台に上がったストリッパー同然の女の扇子を照らし、黄色の照明が私の双眸を焼かんばかりに飛び込んできて目を逸らした。ホールの隅から隅まで歩き回り、終始眼球と首を動かすことを忘れなかったが、とうとうヒッピーの少女と鉢合わせすることはなかった。トイレでも借りにディスコに入ったのだろうか? コンビニじゃあるまいし。 周囲にまともに気を配っていない群衆の間を用心深く抜けるのは体力を使うことだが、パンプスが足へのダメージに拍車をかけた。時間は深夜の二時、オールナイトとしゃれ込んだわりにはあっさりと限界を迎えている私がいた。 ディスコに来る度に不思議に思うのだが、朝まで狂気に犯されたように乱舞している人達の体力には底がないのだろうか? ビールの中にドラッグを混ぜて飲まされているのかもしれない。本人ですら気が付かないうちに。もしかすると、自分も。 私にも、タイトにフィットした、鏡の破片を張り合わせたようなワンピースを着てお立ち台に上がっている時代があった。当時の自分のパワーに驚きつつ、しかしストリッパー寸前まで行ったことに恥を感じている訳ではない。だが、単なるノスタルジーに成り下がった過去に対して、なぜか妙なもどかしさを感じずにはいられなかった。――私はそれで何を得たのだろう? 無為に時間を過ごしただけなのではないだろうか? 急に心が萎えてきた。足が棒になりそうだ。またホールを離れたくなってきた…… 去り際、レコードが『キャント・アンドゥ・ディス』に取り替えられる。私にとっても、この場にいる私以外にとっても最高の賛辞かもしれない。最高の皮肉として。 外へ通じる玄関口にいた二人の男は、雲散霧消してしまっていた。連れションにでも行ったのだろうか? 見張りを立てずに持ち場を離れたのだとしたら、彼らは近日中にクビが飛んでいるに違いない。その前に、傭兵のような体格のヤクザにしこたま殴られるかもしれない。 外の様子もおかしいことに気付き、私は階段を下りてゲートから顔を覗かせる。ネオンの光や酔っ払いの浮かれた鼻歌、言葉巧みに女を引っ掛けるクラブの店員――見慣れた光景がそこにはなかった。路上駐車されている高級車のフロント・ウインドウには、標準価格の十分の一にも満たない値段で投売りされている。 「みんな、忘れちゃったんだよ。もしくは、最初から使い捨てのボロ雑巾と同じ扱いだったのかもしれない」 日付が変わってから初めてかけられた声に私は肩を震わせ、ディスコの階段へ振り向く。ヒッピーの少女が影のような儚さで、段差を椅子代わりにして腰掛けていた。 「何か用?」 「誰にも用はないよ。なあんにも、ね」 落ち着いた口調のせいか、あまり皮肉屋っぽくは聞こえなかった。むしろ、少女は嘲笑うつもりはないのかもしれない。確かなのは、私のことについてほとんど眼中にないということだった。 「ロールス・ロイスも何もかも、需要がなくなれば鉄屑と同じような値札を提げられる運命。じゃあ、需要があった頃に価値があると思っていたのは誰? そこに価値を見出したのはあなたではなく、あなた以外の誰か」 「だから、なんなの?」 「あなた達の感じている価値観は、過ぎ行く現在(いま)を満足させ、思い出話に花を咲かせるだけの肥やしにしかならないってこと」 「私には関係のないことよ」 「そうやって他人の考えに依存し切って、自分の感性もろともノスタルジーの中に置き去りにするといいわ」 それは捨て台詞であったらしい。少女はおもむろに立ち上がると、階段を上がってディスコの中に消えて行く。 「待って!」 私は遠く離れた少女の肩を掴むように腕を伸ばしながら、少女の背中から漂うような気がする残り香を頼りに追いかける。しかし、ディスコのホールの中まで全力疾走するも、重厚な扉を開ける私を迎えたのは夜逃げの後のような無味無臭感だった。広々としたホールには客どころか、機材も何もなかった。何年も前から貸しに出されている空き物件のような空白。 私の中では、ディスコでの出来事は過去のことになっていた。私が覚えていることはほとんどない。――皆がディスコに出入りしていた時は羽振りが良くて、開放的な気分に浸るために金を費やすことが出来た。皆――私を含めた――はそのことを当時の知り合いと共有する程度の重要性しかなかった。 私は無情に打ちひしがれ、ディスコの門前で膝を突き、そのまま歩道に尻餅をついてしまった。ディスコで踊っていた私のリズムが体の心から消えうせ、情景の中にしか見ることが出来ない。 ディスコを楽しめたのも、またヒッピーの少女に出会ったのもそれきりだった。 前の作品 次の作品 コメント 名前 コメント
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ちらりと部屋の時計に目をやる。二本の針は見間違いようのない直角を示していて、今の時間が普段過ごすことのない深夜だということを俺に教えてくれた。 何故そんな時間まで起きているのかという理由については、さっきから俺の頭の中でくるくると踊るように回っている言葉を見て貰えば明白だと思う。 ……寒い……。 これ以上ないくらい単純な話だ。 なら、布団に入って眠ればいいのでは?という声が聞こえてきそうだが、残念ながら今の俺は布団の中にいて、その上で寒くて眠れないことに困っている。 朝の天気予報で言っていた「今日は暖かい一日になるでしょう」という言葉は、どうやら深夜の布団の中までは保証してくれなかったようで、いきなり舞い戻った冬の寒さは、春の陽気に油断して毛布を一枚減らした愚か者の体温を着々と奪っていった。 苦し紛れに足を擦り合わせても、体を丸めて布団にくるまってみても、俺の意識は綱渡りをするピエロのように絶妙なバランスで眠りと覚醒の間を行き来している。 ……何かに負けた気がするが、ここは素直に毛布を一枚引っ張り出そう。 半端な眠気と倦怠感に足を引っ張られながら、やっとの思いで布団を抜け出し押し入れを開ける。 「……あれ?」 だが、そこには俺の求めた魅惑の寝具は見当たらなかった。 「……あ、そうか」 ……どっちにしろ毛布はなかったんだ。 今夜はどっかの誰かさんが妹の部屋にお泊まりするために我が家から寝具が一組消えている。 その誰かさんは、いつものように俺に勉強を教えに来ただけのはずなんだけど……夕方になると何故かお袋と一緒に夕飯を作っていて、いつの間にか家族の団欒に溶け込んでいて、気が付いたらお泊まりが決定していた。 ……今考えると妙な話だ。誰かの陰謀すら感じるな。 ……まぁ、そんなこんなで、すっかり忘れていたが毛布は目下貸し出し中だったんだ……。 ……くそ。 人様の毛布にくるまってぬくぬくと眠る誰かさんを想像すると、言いようのない怒りが込み上げてくる。 ……が、 「……布団に戻ろう」 ……そんな怒りも着実に冷えていく体を暖めてくれるはずもなく、今の俺には布団に残った僅かな温もりを逃がさないことのほうが大事だった。 「……う」 ……やっぱりちょっと冷えてるな。 全く無駄な行動をしたものだと自分のうっかりさ加減を呪う。 ……ったく、あいつが俺の毛布を気に入らなければ……いや、いい。寝よう。目を瞑ってたら寝れるはずだ。 俺はいつもなら敵に回ることの多い睡魔に檄を飛ばしつつ、ぬるま湯のような中途半端な眠気の海に身を投じていった。 より暖かい姿勢を求めてもぞもぞと体を動かす。いい感じで意識が朦朧としてきているものの、まだ完全な睡眠には至っていない。 あれから数時間ほど過ぎたようにも感じるし、まだ数分しか経ってないようにも感じる。相変わらずピエロは綱渡りを続行中だ。 このあと熟睡出来たならともかく、これが朝まで続いたら間違いなく最悪な目覚めを迎えることだろう。 ……湯たんぽでも何でもいいから、何か暖まるものがあれば眠れるのに……。 俺がそんな考えを浮かべたのを見計らったように、ミシリとベッドの上に俺以外の誰かの重みが乗った。 こんな夜更けに俺のベッドに潜り込んでくるヤツなんか我が家には一匹しかいない。 ……シャミセン?なんだいたのか。 「……そういや、お前がいたな。よし、こっちに来い」 これ幸いにとベッドに乗ってきたシャミセンを抱き寄せる。 しかし、普段なら頼まなくても勝手に布団に潜り込んでくるシャミセンだが、今日に限って激しい抵抗を見せた。 「痛っ、コラ、暴れるな」 それとお前太ったか?なんか重いぞ? ぼそりと付け加えるようにそう呟く。すると、シャミだと思っていた生物が否定の言葉を口にした。 「な!?失礼ね!太ってないわよ!」 「……ん?」 ……ハルヒ? 「……そうよ。誰と勘違いしてたのよ?」 いや……シャミと……って、あれ?それより、お前は妹の部屋で寝てたはずじゃ? 「あ……それは……その……ちょっとだけ寝顔を……」 ……まぁ、この際どうでもいいや。 「え?」 寒いから一緒に寝るぞ。 「は?なんの冗談……ひゃう!」 ベッドの上に四ん這いになっていたハルヒをくるりと布団に引きずり込む。 はぁ~……暖かい。 「ちょ、ちょっと!さては、あんた寝呆けてるわね!?は、離しなさいよ!」 おやすみ~……。 「こんな所を家族の人に見られたらどうするのよ!?……こら!本当に寝るな!バカキョン!」 Zzz……。 「キョーン!」 翌朝、清々しい朝日に目を細めつつ、どこか茫然としながら俺は一人呟いていた。 その呟きは、まるで他人事のように空々しく聞こえ、俺しかいない部屋に溶けて消えた。 「……何やってんだ、俺」 何をって……それは、ただ行動だけを言葉にしてみれば原稿用紙半分にも満たない、その程度の出来事だ。しかし、それを言葉にするには些か混乱し過ぎている。 ……よし、何も考えずに事実だけを整理してみよう。 昨夜は寒かった、眠かったけど寒くて眠れなかった、だからハルヒを抱き枕にして寝た、以上。 「……って、以上じゃねぇ!」 寝呆けていたとはいえなんつー行動をしてんだよ! 出来ることなら眠れない夜が見せた夢であって欲しかったのだが、部屋の状況は俺の希望をやすやすと打ち砕いてくれた。 ぽっかりと一人分空いているベッドのスペースに、昨日貸し出したはずの毛布。そして、微かに残る俺以外の体温と思いの外鮮明に残っているハルヒの感触……。 ……うん、柔らかかったな。 「…………」 ……いや、トリップしてる場合じゃないだろ。 問題は否応なしにこの後ハルヒと顔を合わせなければならないってことだ。 「……どうする?」 いくつかの提案が俺の頭の中を飛び交う。議題が議題なだけに、脳内会議はどこぞの国の国会のように荒れに荒れていた。 『だから!覚えてないで通すんだよ!』 『あのハルヒ相手にそれが通る訳ないだろ。素直に謝っとけ』 『そんなことするくらいなら俺は死を選ぶ!』 『大袈裟すぎやしないか?』 『……だるい、眠い』 『お前も真面目に考えろよ!』 『……長門を頼れば?』 『いくら長門相手でもこんな恥ずかしい話が出来るか!』 『そうだ。いっそのこと、これ以上の既成事実を作ってうやむやにしてしまおう。一石二鳥だろ?』 『急進派は話をそっちへ持っていこうとするな!』 『Zzz……』 『寝るな!穏健派!』 「…………」 こんな混乱した思考では考えがまとまるはずもなく、 「……顔でも洗ってくるか」 ひとまず頭をすっきりさせようと俺は洗面所に足を向けた。 ……冷静に考えればこの後に起きる事態も想像出来たはずなんだが、そんな判断が出来るほど落ち着いていれば、そもそも顔を洗ってリフレッシュするまでもなく打開策が浮かんでいた訳で。 だから、この仮定の話は全く意味はない。意味はないが……それでも一分前の俺に非難の声を上げずにはいられなかった。 ……こういう可能性があることくらい気付けよ、と。 もう何があったかお分かりだろうが、一応言葉にしておこう。 ……洗面所にはハルヒがいた。 「…………」 あからさまに何か言いたげな視線を俺に投げ掛けてくるハルヒ。 うん、これで確定した。幸か不幸か昨日のあれは夢じゃない。 事前にシミュレーションする暇もなく、いきなり敵の前に放り出された俺は、自分でもどこか無理を感じながらも脳内会議で一番最初に出た案を採用した。 つまり、俺は何も気付いていない、昨日のことは覚えていない、昨夜俺は一人で寝た。そういうことだ。 ハルヒが口を開くより先にこちらから話を振る。 「おはよう。昨夜は寒かったけど、よく眠れたか?」 ……我ながら白々しい台詞だ。 「……誰かさんのお蔭で鬱陶しいくらい熱かったわよ。そのせいで眠れなかったけどね」 ……いきなりキツイな、おい。 「そ、そうか。まぁ、今日は休みだし問題ないだろ」 「まったく……誰のせいだと思ってるの?」 「……なんのことだ?」 「あんた、覚えてないって言うつもり?」 「……さっきからイマイチ話が見えないぞ?」 ハルヒは直接的な表現を避けて遠回しにこちらを攻める。チクチクと居心地の悪い空気に、早くも急進派と穏健派が白旗を振った。 えぇい、根性なしめ。ここまで来たら知らぬ存ぜぬで押し通すしかないだろ! 「それより顔を洗いたいんだ。蛇口使っていいか?」 「あくまで白を切るつもりなのね?」 ふぅ、と一つ息を吐き、ハルヒはこちらを見据える。いよいよ核心を突くつもりのようだ。 ……よし、どんな追及が来ようと白を切り通すんだ。ここさえ乗り切ればどうにかなる……多分。 俺は軽く息を飲んで、ハルヒが繰り出すであろう豪速球に対して身構えた。 ……が、 「……一つ言っておくけど」 「……なんだ?」 「……さっきから顔が真っ赤よ、バカキョン」 「……」 ……ハルヒの決め球は反則投球だったようだ。 想定外の攻めにこちらが言葉に詰まったのを見ると、ハルヒはニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべて止めを刺しにくる。 「何がそんなに恥ずかしいのかしら?」 「……う」 「エロキョン」 あっさりと形勢が決まってしまい、最早俺が何を言っても誤魔化すことは出来ないだろう。 このまま為す術なくサンドバッグのように滅多打ちにされることが敗者にふさわしい末路なのかも知れない。 ……けれど、勝ち誇るように腕を組むハルヒを見て、俺の中で何かがキレた。 「……お前だってしばらく出ていかなかっただろ」 「な!?」 「抱き締められたらすぐに抵抗やめたしな」 「~~ッ!」 「エロハルヒ」 「や、やっぱり覚えてたんじゃないの!」 「う、うるさい!全ての元凶はお前が毛布を持っていったことだろうが!」 「意味が分からないわよ!バカキョン!大体あんたがなかなか離さなかったから出て行けなかったのよ!」 「う……な、なら起こせばいいだろうが!そしたらお前なんか布団から放り出したさ!」 「なんですって~!?」 「……お母さ~ん。キョンくんとハルにゃんがケンカしてるよ~?」 「それは仲のいい証拠だから放っておきなさい」 「そうなの?」 「あれが二人のコミュニケーションの取り方なのよ」 「ふ~ん……?」 「あとで『夫婦喧嘩は犬も食わない』って言葉の意味を二人に聞いてみなさい。あ、お母さんが言ったってのは内緒ね」 「わかった~」 「エロキョン!」 「エロハルヒ!」 END
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……ああ、見つかってしまったか。 出来れば佐々木の暴挙を他人に知らしめる事は良しとしなかったから、敢えて見つかりにくいようにしていたのだが、発見してしまうとは目敏いというかしつこいというか…… オホン、だが見つけてしまったものはしょうがない。俺が既定事項を守るため、佐々木がやっちまった失態をお見せしよう。 なお、お子様にはちょっと過激な内容を含んでいるかもしれないから気をつけてくれ。そんなに大したものじゃないが念のためな。 そして、ググって来た人、あるいは更新履歴から辿ってきた人は、物語の最初から読んで頂けば幸いである。 こちらだ。 時は流れて当日。 かったるい英語の授業はチャイムを持って終了を告げ、いよいよ問題の体育の時間前である。 俺はと言うと倦怠感溢れる授業からようやく解放され、腕を伸ばして背伸びをしながらどうやって佐々木をガードしようか、それとも知らん振りしてようか、どっちにしようかなと考えていたその時。 (キョン、それじゃあ始めるよ。よく見ててね) 後ろの席から小声で語りかけてくるのは、やる気を完全に取り戻した一人の少女。 ふと後ろを見ると、既に体操着を取り出して準備万端の状態。あれだけ嫌がっていたのがまるで嘘のような仕草であった。 授業が終わったばっかりなので、教室を移動すべき男子生徒の半数以上はまだ自室に篭っている。勿論俺もその一人。 やるなら今をもって他は無い。 ああ、頼んだぜ。俺はなるべくそっちを見ないようにしてるから、ちゃっちゃとやっちゃってくれ。 (何を言っているんだキョン。キョンにもやってもらうことがあるんだ。ちゃんと手伝ってもらわなきゃ困るよ) は? お前、何を言って―― そう言おうと、立ち上がって振り向いた瞬間、佐々木は俺の両腕を掴んで、 (キョンは壁だからそこから動いちゃだめ) 佐々木はそのまま両手を机の上に持って行き、俺の両手が机に付いたのを見定めてからホールド。 つまり今の俺は、自分の椅子を起点にして佐々木の机に手をかけている状態。身を乗り出して喋るハルヒと逆パターンだと捉えれば分かりやすいだろう。 「……壁?」まだ点在している男子生徒からの目線を防ぐための壁ということか? なるほどそれは妙案だ。 覆い被さるように存在する俺は、佐々木の姿の大半を覆い尽くしている。加えて俺達の席は窓際後方の角(この前の席替えでそううなった。結局ハルヒの定位置に佐々木が来たことになる)。 これならば大多数の人間が佐々木の生着替えを直視することは無いだろうし、見えたとしても腕や足の一部だけ。 『私、ライトになります』と言って服を脱いだ後の戸○恵○香が佐々木、カ○プ○ード○ラ○トが俺。 つまりそんな状態だ。 妙案だとは思うのだが……しかし佐々木、ひとつ教えてくれ。 なぜ……俺達は向き合ったままなのだ? (くっくっくっ……決まってるじゃないか) 妙艶な笑みを浮かべた後、佐々木は迷わず、 (キョンに見せるためじゃないか) 「なっ!!」 (他の男子生徒の目線をカットしつつ、キョンの視線だけはこちらに送る。となればこの方法が一番じゃないか。そう言うわけだからちゃんと壁の役よろしく。ああ、もっと近づいてもいいんだよ。その方が露呈されにくいし、キョンはもっと近くで見られるし) ……やっぱり勘違いしてやがった…… 大多数の男子生徒がまだ教室にいるこの時間、佐々木は障害物を巧みに利用し、男子生徒からの死角になるよう着替え始めた。 障害物も去ることながら、集まりつつある自他クラスの女子生徒が上手い具合に包囲網となる。 おかげで佐々木の裸体(といっても下着姿だが)を間近に見る男子学生は殆どいないはずだし、仮に見えたとしてもかなりの遠目で何をしているか分からない状態だろう。 俺、一人を除き。 (よーく見てて……) 佐々木は思考が停止しかけている俺の目の前で、やおらセーラー服のファスナーに手をかけた。 ファスナーを開いた先から、佐々木の白い肌が姿を見せ始める。 うわちょっと待て。水着やバニーガールで女性の肌は見慣れているし、朝比奈さんの下着姿も正直何度も拝んでいる。 だが、ここまで間近で見た事はなかった。 なんだかやばいってこれは! 心の中では道徳心と自制心が入り混じったそんな叫びを上げているのだが、悲しいかな俺の本能たる部分がそれを拒む。 ファスナーは既に全開。チラリと見える、白くて細い腰から目が離せない。 (くくく……キョン、どこ見てるの?) その姿を見た佐々木は突如、露出した部分を遮るように両手を宛がった。 肌を見せないようにするため……ではなかった。セーラー服を掴んだ両手を、そろそろと捲り上げるためだった。 しかも一気に脱ごうとはせず、線香が燃えるくらいゆっくりの速度で、するするする、と少しずつ肌をさらけ出す。 腰の括れが露になる。佐々木のスタイルのよさは特級品。加えて瑕疵一つ無い艶美な肌が、彼女のフェロモンを助長している。 ゴクリ。 (もう、エッチ) 思わず生唾を飲んだ俺に、佐々木はセーラー服を半分ほど捲し上げた辺りで一旦動きを止めた。 俺の視線があまりにも目ざとかったのか、生唾の音に興ざめしたのか。それとも他の意図があったのか、それはわからない。 しかし、脱ぎかけのこの光景はある意味素っ裸よりも衝撃的だ。 腰は完全に露出し、胸郭の下半分の部分も丸見え。上半身の半分を曝け出している。 中でも見えそうで見えない下着。これは違法だ反則だ。チラリズムここに極まれり、むしろバンザイ。 この体勢を保持したまま平常心を保っていろと言う方が難しい。 さらに佐々木は流し目を送って、 (キョン、この先、見たい?) コクッ、と頷いてしまったのは俺が健全な男である証拠だ。誰にも責められるべきことではない。 それに満足したのか、佐々木は再び服を脱ぎ始める。 するすると脱ぎ始めるセーラー服、そしてついに彼女の下着が露に…… (ああん、ひっかかっちゃった) なんとぉっ! これは困ったトラブルだ! 佐々木のセーラー服の端が、胸の膨らみによって阻まれた! キュウキュウと苦しそうに悲鳴を上げるのは、佐々木自身ではなく、寧ろ胸。 思いっきり力を入れたらセーラー服が破れるんじゃないか? うむ、それはそれで見てみたいな。 しかし俺の思いとは裏腹に、佐々木は強引にセーラー服を引っ張って、引っ掛かっていた膨らみから強引に開放。 ポヨポヨポヨって……うわあ……揺れすぎ…… そして、ついに佐々木の胸の全容が明らかとなる。 引き締まった体に、場違いに実ったバスト。その大きさを端的に言うと、 『デカイ』 『デカすぎる』 『なんつうデカサだ』 もうそんな言葉しか出てこない。 デカイデカイと連呼しているが、お化けカボチャみたいに巨大なものがくっついているとか、世界ビックリ人間に登場しそうな範疇の大きさではないぞ念のため。 人知の範囲内で――言い換えれば、正常な人間が興味を誘うレベルで、十分大きいのだ。 バストとカップの関係は詳しく知らないが、個人的観測でDは確実に超えている。朝比奈さんと遜色ないか、下手したらそれ以上だ。 残念ながら大人の朝比奈さんよりは少々劣る気がするが、あの人のレベルで物事を考えるのは早計である。高校生レベルとしては超一級のバストの持ち主である。 服を着ているとそんなに目立つようでもなかったのだが……もしかして佐々木は着やせするタイプなのだろうか? それに半年前――橘の脂肪を利用して豊胸手術をした時――よりも大きく感じる。 それは恐らく、彼女が見につけている下着のせいであろう。 紺色でラメの入っている時点で学校に着てくるのはどうかと思うのだが、問題はそこではない。 佐々木が身に付けているブラは、はちきれんばかりの果実を苦しそうに支えている。下手に刺激を加えたらそのまま零れ落ちるぜ、あれは。 ギュウギュウの下着が胸の大きさをより際立たせているのだ。 佐々木、水着は蒸れるから嫌だって言ってたのに、サイズ違いのブラの方がバストにとって悪影響を及ぼすんじゃないのか? とは言え、これ以上ない眼福な光景なので黙っておく。 (さ、佐々木! そ、そんなアピールは必要は無いぞ! さっさと脱いで体操着を着てくれれば問題ない!) 少し落ち着きを取り戻した俺は、彼女のみに聞こえるよう精一杯叫んだ。目の保養になる事は間違いないが、場所が場所だけにこんなところで悶々とするわけにはいかない。というか俺がやばい。 しかし佐々木は俺の言葉に対してくっくと喉を鳴らしたのみ。胸の上まで上げたセーラー服を下げる素振りは一向に見られない。 それどころか佐々木は更なる暴挙に出た。なんと二の腕を使って、胸と胸を挟みやがったのだ。 胸と胸の間に出来た漆黒の渓谷は、冗談ではなく本気で吸い込まれそうだ。 (キョン、どうかな? 涼宮さんに引けをとらないと思うんだけど?) 佐々木に言葉に共鳴するかのように、両腕で挟まれたものがふるふるっと揺れた。 (以前長門さんに頼んで大きくしてもらった時よりも立派になってると思わないかい? あれからスタイルをキープするために美容体操は毎日欠かさずやっている。おかげでスリーサイズは黄金比を保持しているんだ) ふわふわっ、とまた揺れた。 佐々木が喋るたびに、声の振動が胸に伝わって、衝撃を吸収しているためだ。 うわぁ……たまらん。 思わず鼻を抑える。鼻血が出るわけじゃないが、鼻の下は完全に伸びきっている。それを隠すためだ。 しかし佐々木の攻撃は止まらない。 (おや、その顔は信じてないようだね? せっかくキョンのためにバストとウエストをさらけ出してあげたのに……そうか、残りのヒップも見てみたいというわけか。しかたないな、特別に見せてあげよう。くくくっ、本当に『エロキョン』で困るわね) 再び喉を鳴らし、上着の胸の上に保持したまま器用に腰に手をあて、スカートのジッパーを下げ始めた。 噂の着○○って奴だ。下手な裸より刺激的だ。 太腿から続く腰下のラインも露になる……って、 「さ、佐々木! そ、そこの紐って、まさかパン……」 「――――――!!」 思わず声が出てしまった俺は、しかしこれ以上言葉を口にすることができなかった。 怒涛の勢いで教室から放り出されたためである。 ――放り出したのは、クラス委員長の朝倉涼子。 「…………」 もの悲しい顔をした朝倉は、俯き加減のまま俺をじっと見つめ、そして静かに扉を閉めたのだった。
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CASE #50 在米、二児の母。時々ゲーム配信などしている。 Apr 8, 2021 1回目のワクチン打ちました。ネバダ州では4/5から16歳以上の誰もが打てるようになりました。今のところ異常なし。#コロナワクチン 腕が痛くなったら #フォートナイト できない!? Nov 25, 2021 頭痛でログアウト😇寒い時期は頭痛の日が多いなぁ・・・薬飲む以外の解決法が欲しいです!うちは湯船が浅くて肩まで浸かったりするのが無理なのも冷えの原因なのかなぁ・・・。深いお風呂の家に引っ越したい!! Dec 8, 2021 低気圧+気温低下=頭痛なので、地獄次男のお迎えで外で待ってたら頭痛がヤバくなってきてしまいパーカーのフードを被ってマスクした不審者スタイルに。車に戻ったら座席ヒーターに背中をくっつけ、無駄な我慢せず頭痛薬💊を飲む!何かの記事で鹿児島県は頭痛の割合多いと書いてたけど何が原因だろー? Dec 12, 2021 今日はお気楽長男が2回目のコロナワクチン、私と旦那と地獄次男はインフルエンザワクチンを打ってきました〜😣最近ワクチン打ちまくり感があるけど仕方ない😣後2週間したらまたお気楽と旦那がインフルエンザワクチン、地獄次男がコロナワクチン1回目、その2週間後2回目。。。先が長い😇 Dec 21, 2021 頭痛なう。頭痛持ちの人と繋がって日常的な頭痛を慰め合ったり薬どれぐらい飲んでもまだ大丈夫そうか何となく安心したり効くもの聞いたりしたいなぁ。ロキソニン大好きっ子だからロキソニン飲みたいけど貴重なのでイブプロフェン飲みます。胃が痛い時はアセトアミノフェン。 Dec 29, 2021 今日は夕方にうちの5歳が1回目ワクチン。泣くだろうなぁ Jan 26, 2022 昨日はクリエで練習したものの謎の体調不良で早くベッドへ。多分1時ごろには寝たと思います。たまにはたっぷりの睡眠時間いいなぁ・・・。 27, 2022 Replying to @txxx お大事にされて下さい😢私は今日コロナ疑いで病院に行ったらアレルギーでした・・・😷 Mar 18, 2022 体調が戻らずおはよう台所茶する気力もありません🤧ゲームも出来ず😇これもしかして風邪じゃないの・・・? Apr 27, 2022 朝5時ごろに私も次男もだめだこりゃってなって、朝8時に病院に行ったけどその時は熱はないわ咳は出ないわ、ぜーぜーも言わないわでCovid-19も陰性だけど、夜になってまーた同じ😵地獄次男はもう1週間熱〜。明日はかかりつけ小児科に連れて行ってみようかなと思ってます😩 Apr 28, 2022 次男の体調が戻らず、今日は救急の病院じゃなくて小児科に来てるけど、今のところ1時間40分ずっと待ってる😵 さっきやっと個室に移動できた。実は病院がいつもの場所から移転しており(年末まではいつもの場所にあった)、無駄に彷徨ったりしたので余計疲れたのです😇 May 2, 2022 ゴールデンウィーク羨ましいー!今日日曜日で、今週は体調が悪くてどこにも出かけなかったのでお家にいました〜😌今からお買い物して今日は終わりです。 May 9, 2022 ありがとございますーアレルギーからの気管支炎が治りきってないので、毎日薬漬けでございます!!空気汚すぎ😇 May 30, 2022 週末は次男氏ウィルス性胃腸炎でER案件😇朝イチで病院に連れて行きそのまま小児救急行きに🏥。早めに連れて行ったので吐き気どめの薬も効き、口から水分がとれるようになったので点滴は無しですみました。😌ちびっ子はいつもと違うと感じたら早めの病院が吉ですね🏥胃腸炎流行ってる〜😩 Jun 12, 2022 今日は日本語補習校の送り迎えで短時間外で待ってるだけでも体調悪くなりました😩ペットボトルの水2本飲みました! Jun 14, 2022 次男も無事Covid 19 ワクチン3回目終了😌今回もキャンディを両手にもらってご機嫌を治しました。ほらあの可愛いお姉ちゃんが注射してくれるよって言ってたのに地獄の番になったら熊みたいなイカついおじちゃん薬剤師さん(?)でワロタw Oct 20, 2022 アレルギーの診断でひどくなるとステロイドが出ます😫5日間くらい量を減らしながら飲んでいくステロイドがめっちゃ効くんだけど病院にいくのがめんどくさい〜😵毎日送り迎えで外には行かないといけないのでめっちゃ掃除するしかないのかなー😷 Oct 21, 2022 なんか体調が悪いなって時カフェインたりてないことが多いんだけど、とりあえず濃い緑茶にしてみた、、、寝れないのも困るしなぁ。体調悪化してきたのでとりあえず寝ます Oct 20, 2022 息すると気管支狭くなってるひゅーひゅー言う感じが不愉快😫アレルギーの薬飲んでるけど喉とか胸の辺りの内側の痒さ?イガイガ?がとれないなぁ😵冷えとかもあるかと思い靴下履いてみた(年中裸足なので)温かいお茶とか飲んでみるかなぁ🍵 Nov 7, 2022 ここ数日ずっと頭痛で薬飲んでるけどあんま効かない🫠ちょっと辛くなってきたちょっとだけど Nov 25, 2022 あっ 口がヤバい これはきっと ・・・柿?そんなばかな いや喉も痒い いやしかし 柿はワイの好物 うん舌がピリピリするな うん 違う 断じて違う(アレルギーの薬飲もう アレルギーの薬を飲んでなかったことにしているところです😇大丈夫、大丈夫、、、ワイの干し柿シーズンはこれからなのに、、、 Nov 30, 2022 朝より体調良くなってきた説ある🦔とりあえずエアボーンっていうビタミンCのグミを定期的に食べてる(1度に2個ぐらいたべていい) Dec 26, 2022 疲れてる時毎日蕁麻疹でるけどこんなに頻繁だと流石に別の何かじゃね?とうっすら疑ったり。急にぶつぶつしてきて痒いだけなんですけど、めんどくさいです🫠テンションも下がるし、、、しかし抗ヒスタミン薬で治るしでなんとなく医者にも行かず過ごしてます🫠痛いとかじゃないからいんだけど、、痒いのって無駄じゃない!?そのセンサーいる!?と人体の仕組みに逆ギレしたりしてます😇 Feb 4, 2023 咳がやばいのでurgent careに来たよ!子連れじゃない病院マジ楽勝すぎてワロタ Apr 25, 2023 なんか蕁麻疹多いなぁーって思いながらナッツ食べてて、ふとナッツ食べた後に痒くなるよなぁーって思ったのなかったことにして薬飲んだ🦭嘘だろ、、? Apr 6, 2023 うーんちょっと体調が万全じゃないのに運動してみたらしっぺ返しで頭痛 May 5, 2023 体調不良諸々で1週間ジム行ってなくてやっと復活🦔筋トレ後に軽く有酸素軽くやったら咳が出て撤退 May 11, 2023 咳が凄くてずっと体調不良でしたが副鼻腔炎でした🦭 May 12, 2023 調悪いので炭水化物も制限をやめていて、めきめき浮腫んでます😢早く直します〜😢カロリー少し絞ります🦭 May 18, 2023 ずっと体調を崩していてやっと2週間以上ぶりにジム行った🦭あちこち痛いけど頑張る🦭 May 19, 2023 ずっとね、、、なんかずっと、、、3-4週間ぐらい誰かしら体調が悪いままなんだよね、、、 Jun 8, 2023 ひー頭痛いぜ。薬が効かないタイプがほんときついー🙈寝てやり過ごすしかないですね Aug 19, 2023 頭痛ハリケーンのせいじゃないのかとか思うと謎に痛みが増す気がしてとっととロキソニンきめました🫨台風とか歯も痛くなりませんか?ワイだけ?歯っていうかあごっていうか、、、具体的にピンポイントじゃないんだけど重い痛みっていうか🤔頭痛と同時進行中🫨でもまぁ薬で治るはず Aug 24, 2023 あざます! なんていうか、もし病院にちゃんと行ったら治るのかな?という疑問と英語の壁とめんどくささと戦っていつも鎮痛剤で終わるという、、、もうずっと頭痛持ちだから今更感もあったりして放置しちゃってます🦔そして今日も薬を飲むという🫨 Sep 8, 2023 調子が悪いと重いものを持つだけで蕁麻疹出るんだけどマジでウェイトトレーニングとの相性最悪すぎ😂🦔緊張したり発汗しても出たりするしうーんって感じだけどもう数年そんなだしなぁということでなかなか病院にも行かない🦔だって蕁麻疹って消えちゃうものね🫨コリン性かなぁって勝手に思っておる Sep 13, 2023 お馴染みの頭痛ですー。いつも痒いし痛いし、面倒だけどなんかそろそろ病院とか考えようと Oct 13, 2023 旦那が数日前から喉痛み+熱、長男が同じ感じで発症し明日休むかも的な体調、地獄氏は37.5℃ですこぶる元気、ワイ氏倦怠感と喉が痛い気がする状況ですがとりあえずキットでは全員陰性です🥹風邪かも知れない、、、Covidではなかった Oct 14, 2023 お薬飲ませていただきました。頭痛です。アンケートは参考にさせていただきますがご期待に添えない場合もございますので予めご了承ください。みなさま土曜日いかがお過ごしでしょうか🦔 眠い🫨今日はほんとは配信したかったけど、あまり気が乗らなくてクエストだけ回しました🫠おやすみなさい Oct 15, 2023 今日は体調が微妙なのでテレビに映る部屋のライトの反射がダメで暗闇の中ゲーム🎮 Oct 17, 2023 手が痺れてから休んでた筋トレを今日再開🦔流石に眠い🫠 Oct 18, 2023 (頭痛のっくあうと中:ロキソ) 。頭痛無理ゲーですが幸運なことに眠れそうなので寝ますさよならフォトナのやる気 Oct 19, 2023 1週間筋トレなしで治って来たと思った左手の痺れ...枝切り鋏とかチェーンソーとか剪定鋏を使ってちょっと無理したら今もう指先じゃなくて手のひら半分痺れてるんだけど、やっぱり使うとダメなのか!?🥺何でだよぉ〜 Oct 22, 2023 気温は33℃しかなかったんだけど直射日光がマジでエグい土地なので、帽子を忘れて炎天下に4時間いた結果、体感温度がバグってエアコンガンガンにしてもずっと暑い Oct 28, 2023 溶連菌にやられた Oct 29, 2023 昨日5万年ぶりにフォトナを開いたんじゃが、マジで目がついていかなくて3マッチでそっ閉じしたんじゃ...🦔 Nov 4, 2023 熱とかはないんだけどとにかく爆咳で配信とかマジで無理だった🫨マッチ入って喋らないで咳してるだけで冷や汗🫨タクショ...青タクを見つけた時の感動を...スカーを拾った時の喜びをお伝えしたかった...🥹またフォトナ練習したらどうにかなるんじゃないか発作が起きました毎度マイドォ!!!! Nov 8, 2023 咳少し良くなってきました🦔😷 Nov 29, 2023 ねむいぃ🫨 Dec 5, 2023 次男昨夜39.5℃だったので今日は学校お休み。様子を見て病院に行かねば Jan 13 ねむ、、い、、、次男の様子を見てとなりにいるけどもうだめだ寝る!!何かあればきっと起きる、、、はず、、? 次男学校再開早々に熱発!!次男から「頭がぎゅうっとする」との訴え。えっじゃあこの、、、俺の頭痛って、、、?🥹 Jan 14 ねむぃ Jan 18 眠たいなと思うことが多いので現在23時に布団入って24時に寝る計画だぜ完璧だわ!!!フフフ Feb 1 ねもい
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R 眼科 S 耳鼻咽喉科 T 整形外科 U 精神科 V 皮膚科 W 泌尿器科 X 放射線科 【R 眼科】 角膜上皮:バリアー、知覚 角膜実質:コラーゲン線維、プロテオグリカン 角膜内皮のNaポンプ作用により透明性維持、 浮腫防止、細胞数減少により水疱性角膜症 瞳孔径は20代で最大、瞳孔散大は頚部交感神経 ブドウ膜炎:両側の急激な視力障害 ブドウ膜:虹彩+毛様体+脈絡膜 視神経炎:中心暗点、ラケット状暗点、 眼球運動痛、急性、片側性 心因性視野障害:らせん状・管状視野狭窄 うっ血乳頭→Marriotte盲点の拡大 内圧亢進、網膜・脈絡膜炎による ラケット状暗点:慢性視神経炎で Marriotteと中心暗点が合体 Bjerrum暗点:緑内障でみられる、Marriotteが 中心部を避けて鼻側へ拡大 網膜裂孔→光視症、 結膜充血:表在性、アドレナリン点眼により消退 毛様充血:深在性、角膜実質炎、 虹彩毛様体炎(→羞明)、緑内障発作時 麻疹カタル期に眼脂:結膜、涙嚢、鼻涙管の炎症 牛眼:角膜の巨大化←先天性緑内障など 兎眼:閉眼不可による乾性角結膜炎 涙嚢:内眼角部 緑膿菌感染:コンタクト、外傷性 Goldmann三角鏡:隅角、網膜、硝子体を観察 Weber症候群:動眼神経麻痺+反対側の片麻痺 ランドルト環:10分=視力0.1、5分=0.2、1分=1.0 ステロイド:全身投与で白内障、 長期点眼で緑内障の可能性 老視:調節力の低下 近点=100÷(調節力+100/遠点距離) 調節力:1/近点-1/遠点 矯正視力の+:凸レンズ、遠視 調節性内斜視:遠視を矯正することで正常眼位 近視の場合は弱視になりにくい 眼脂: 新生児涙嚢炎:Hasner弁先天閉鎖による細菌感染 クラミジア結膜炎:トラコーマ、濾胞性 急性出血性結膜炎:エンテロウイルス、アポロ病 粘稠漿液性眼脂 外麦粒腫:Zeis腺(睫毛脂腺)とMoll腺(汗腺)の 急性発症 内麦粒腫:Meibom腺(瞼板腺)の急性化膿性炎症 内・外とも黄色ブ菌によるものが多い 霰粒腫:Meibom腺の肉芽腫性炎症、細菌性ではない クラミジア:結膜炎、細胞内Prowazek小体(封入体) 春季カタル:春から秋、石垣状の乳頭増殖、 若年男児に多い アレルギー性結膜炎:好酸球↑,抗ヒスタミン薬点眼 白内障の眼内レンズから水疱性角膜症の合併 ←角膜内皮細胞減少による、角膜浮腫,混濁,疼痛 Sjogren→びまん性表層角膜炎 日本人のブドウ膜炎:Behcet病、サルコイドーシス Vogt 小柳原田病 前房蓄膿:Behcet病 Vogt 小柳原田病:網膜造影で点状・斑状漏出点が 多数、色素脱失→夕焼け眼底 メラノサイトに対する自己免疫,若年女性,耳鳴り 頭痛(漿液性髄膜炎による)漿液性網膜剥離 トキソプラズマ→黄斑変性症 中心性漿液性脈絡網膜症:黄斑部の網膜剥離 →変視症、蛍光の漏出 網膜中心動脈閉塞は急速なのでレーザー治療無効 網膜静脈分岐閉塞症:上耳側静脈,硝子体出血 →硬性白斑:浮腫・出血の持続により フィブリン、脂質などが沈着 軟性白斑:網膜の虚血性変化による、 網膜中心静脈閉塞症:網膜全体の虚血 →血管新生緑内障 交感性眼炎:穿孔性眼外傷後の両眼性ブドウ膜炎 健常側にも視力障害・羞明など、 ステロイド、眼摘出 プールで感染:咽頭結膜炎(アデノ3,7):プール熱 流行性角結膜炎(アデノ8):アポロ熱、潜伏1~2日 急性出血性結膜炎:エンテロ70、コクサッキー 加齢黄斑変性:黄斑の蛍光漏出,貯留.蛍光ブロック 脈絡膜由来の新生血管からの出血 網膜色素変性:眼底に骨小体様色素沈着,ERG平坦化 輪状暗点→求心性視野障害、周辺がやられて夜盲 乳頭浮腫:原田病、炭酸ガス症、悪性高血圧症など 眼内レンズ:眼軸長と角膜屈折率から度数を決定 ERG:色素変性症、糖尿病、鉄錆症などで実施 開放隅角緑内障:乳頭上下の神経線維束欠損、 傍中心暗点(Bjerrum暗点)、鼻側から進行する エピネフリン投与→房水産生抑制 眼圧上昇→角膜浮腫 視神経管骨折:眉毛部外傷による、 直接対光反射の減弱・消失 開放術による減圧、ステロイド、グリセロール 新生児膿漏眼:淋菌による 【S 耳鼻咽喉科】 口腔内:咽頭・喉頭にも味蕾がある 上鼻甲介と鼻中隔の間の嗅裂にある嗅上皮で 嗅覚を感じ取る 末梢性めまい:回転性→回旋性の眼振 急性喉頭蓋炎→フル菌によるものが多い、呼吸困難 アデノイド増殖症:5~6歳、 上咽頭に発生して両側性の鼻閉、いびき 耳管隆起圧迫による滲出性中耳炎 睡眠時無呼吸からの夜尿症、右心負荷 上顎洞性後鼻孔ポリープ:一側性、やや女性に多い 急性扁桃炎:溶連、切開排膿、抗菌薬後に扁桃摘出 慢性扁桃炎:習慣性アンギーナ、埋没性扁桃に発生 ←扁桃摘出 鼻出血:篩骨動脈←内頸動脈、顎動脈←外頸動脈 臭鼻症:萎縮性鼻炎、思春期女性、 鼻内の出血、痂皮、悪臭、委縮 ABR:Ⅰ波は聴神経の伝導 機能性難聴:非器質性、聴性脳幹反応は正常 陰影聴取:一側耳に難聴がある場合に、健側で聴取 補充現象陽性:自記オージオグラムで 持続音の鋸歯状波の振幅減少 内耳性難聴で陽性 温水:注水側に眼振⇔冷水だと逆 頭位を30度上げて外側半規管を垂直にして検査 耳下腺→顔面神経 顎下腺:Wharton管,長い,粘稠のため唾石症が後発 先天性耳瘻孔:第1,2鰓弓由来で外耳に生じる 感染時に耳前部が発赤→膿汁排泄 耳せつ:軟骨部外耳道の毛嚢への化膿性感染、 中耳炎との鑑別が重要 夏に多い、発熱(-)、耳介牽引痛、膿性耳漏 急性中耳炎:インフル菌、肺炎球菌、 排膿により耳痛は軽快 滲出性中耳炎:鼓室内が陰圧になることで 滲出液が貯留、ティンパノでB,C型 中耳炎慢性化←緑膿菌感染、側頭骨気胞化不良、 糖尿病によって、鼓膜の穿孔 伝音障害が高度な場合は鼓室形成術 ティンパノメトリー A型:正常、感音性 As:耳硬化症 Ad:耳小骨連鎖離断 B:浸出性中耳炎、鼓膜癒着 C:耳管狭窄症 Willis錯聴:耳硬化症で 周りがうるさい方がよく聞こえる状態 耳硬化症:アブミ骨底の固着で伝音難聴、 閉塞感はない、アブミ骨手術 老人性難聴:内外有毛細胞の変性→高音域障害 特発性難聴:片側の感音性難聴、発作は一回きり Ⅷ神経症状がある、ステロイド、Vit薬、 血管拡張薬、高圧酸素により早期治療を行う 1ヶ月で治らなければ回復しない 騒音性難聴:C5-dip(4000Hz)⇔音響外傷は可逆的 前庭眼反射消失でRomberg現象(+) Carhart notch:2000Hz付近での骨導低下 ←耳硬化症で メニエール:低・中音域の障害、リクルート現象(+)、 温度眼振反応低下 Alport症候群:感音難聴(高音から傷害)、 血・蛋白尿、白内障、円錐角膜 アブミ骨筋反射:聴覚過敏を防止する 若年性上咽頭血管線維腫:思春期男性、易出血性、 鼻腔後方 正中頸嚢胞:舌骨体部と癒合しているので まとめて摘出 通年性アレルギー:減感作療法が有効、皮下注射 EBウイルス:上咽頭癌に関係 下咽頭癌:男は梨状陥凹、女は輪状軟骨後部 頸部リンパ節に転移しやすい、予後不良、 高分化型扁平上皮癌 喉頭癌:早期→放射線、中期→部分摘出 進行→全摘 聴神経腫で三叉神経に障害→角膜反射低下 頸部リンパ節へ転移:咽頭癌、声門上皮癌 白板症:白色斑点、上皮の棘状増殖、前癌病変 舌癌:顎下部への転移が多い 粘膜内→局所切除、粘膜下層→放射線 上顎癌:リンパ節転移は末期まで起こらない、 扁平上皮癌 吹き抜け骨折:下直筋の嵌頓によって眼球上転障害 上顎洞の骨欠損:乾酪性上顎洞炎、上顎癌、 術後性上顎嚢胞 急性声門下喉頭炎(仮性クループ):犬吠様咳嗽、 喘鳴、嗄声 声帯ポリープ:発声指導で治療 声帯前方から中央に好発 ポリープ様声帯:両側性、膜様部全体の浮腫、 低音化、呼吸困難 上皮真珠種:新生児の口腔内の上皮性停滞性嚢腫、 自然消失する 唾液腺混合腫瘍:多形腺腫、緩慢な腫大 Frey症候群:副交感神経と汗腺が誤って接続され 味覚刺激により耳前部の発赤・発汗 耳下腺の術後に生じる 【T 整形外科】 長軸成長:軟骨内骨化、 横径、頭蓋扁平骨、顔面骨の成長:膜性骨化 長管骨栄養:骨端骨幹端動脈と栄養動脈は 成長軟骨体があると吻合しない 2型コラーゲン:関節軟骨、加齢で束状化、不溶化 硝子様軟骨の菲薄化 細胞数、弾性線維、Ⅱ型コラ、プロテオ グリカンの量的変化はない 脛骨神経:下腿の屈筋、足関節の底屈 総腓骨神経:下腿の外側筋群、足関節の背屈 四頭筋:大腿直筋(股・屈)、外側広筋、 中間広筋、内側広筋(膝・伸) 上腕二頭:肘・屈、前腕回外、上腕外旋時の外転 痛風:夜間、アルコール、肉食で発作誘発 急性腰痛:股・膝関節を屈曲させた体位を取らせて 安静にする 重心:足底から55~56%の位置 Heberden結節:遠位指関節の変形性関節症 逃避跛行:患側下肢の疼痛による 小児股関節結核など 関節内骨折で関節液に脂肪滴が混じる 化膿性関節炎:関節液は血性、細胞成分↑、曳糸性↓ 曳糸性↓:痛風、RA、血友病 関節液粘度↑:外傷、変形性関節症、SLE、 筋力低下時のトレーニング: 1 等尺性運動、 2 自動介助、3 等張性抵抗、4 等運動性運動 偽痛風:ピロリン酸Ca結晶の沈着、膝関節、 偏光顕微鏡で結晶、線状・層状石灰化 変形性関節症を合併、高齢男性に多い Paget病:病的な骨吸収と骨破壊像、ALP↑↑ ALP↑:骨折、骨肉腫、転移性骨腫瘍、 くる病、骨軟化症 造骨細胞の活動により上昇、小児成長期に高い 人工膝関節(TKA):RA、高度の変形性膝関節症、 腫瘍の術後など 可動域0~130°、60歳以上に適応、感染後は禁忌 温熱療法が禁忌:急性炎症,知覚障害,局所血流不全 開放骨折=複雑骨折、6時間以内にデブリドマン、 その後に創外固定 Compartment症候群→筋膜減張切開 Colles骨折:手掌をついた転倒時、 手首のフォーク状変形 →Sudeck骨委縮、手根管症候群、長母趾伸筋断裂 骨折術後の急速な自発痛、運動痛 反射性交感神経ジストロフィー、 、浮腫、骨萎縮 関節面の転移があれば観血的治療 高齢者の転倒では大腿骨頚部、転子部骨折が最多 大腿頚部内側、舟状骨、距骨、脛骨中下3分の1 :血流が少ない 小児:骨折>脱臼、拘縮は起きにくい 若木骨折 小児上腕骨顆上骨折→内反肘、Volkmann拘縮 手をついた時、神経麻痺 上腕骨外顆骨折:偽関節になると外反肘 Volkmann:阻血性拘縮→ギプス除去、筋膜切開 橈骨神経:上腕骨骨幹部を巻きつくように走行 肘内障:橈骨骨頭が輪状靭帯から逸脱しかけた状態 Golden hour内なら一時的に創閉鎖 疲労骨折:骨折像と修復像が混在、思春期に多い、 疼痛はそんなにない 行軍骨折→中足骨、走者→脛骨近位3分の1 捻挫:靱帯損傷が多い、断裂があると関節不安定性 半月板断裂でロッキング現象: 屈曲位からの伸展不能→McMurrayテスト 前十字:前方引き出し(+)、Lackmanテスト 後十字:後方引き出し(+)、Saggingテスト 肩関節:前方脱臼が多い 脱臼:相対する関節面が完全に接触を失った状態 骨折:20度までの屈曲転移なら自然矯正される、 回旋は無理 踵骨骨折→骨萎縮、Bohler角の減少、歩行時の疼痛 膝蓋跳動→血性関節液の貯留←靱帯損傷による 膝蓋軟骨軟化症:若年、運動選手、屈曲時疼痛 (半月板損傷に類似)、膝くずれ Montegia骨折:尺骨骨折後に肘関節から 橈骨頭が前方に脱臼 バネ様固定:外傷性脱臼に特有 動揺関節:他動的に動かすと範囲を超えた可動性 L5 前脛骨筋、L5~S2 腓腹筋 先天性股関節脱臼:男女比1 7、開排制限 大転子が高位、腰椎前弯増強 →リーメンビューゲル装具:6か月以内 ⇔オーバーヘッド牽引:それ以降 乳児化膿性股関節炎:骨端線を貫通する 二頭:C5、腕橈骨筋腱:C6、三頭筋 C7 頚椎症性神経根症:神経圧迫試験(Spurling試験) で痛み、痺れ感、椎間孔の狭窄による 頸椎ヘルニア:20~40代の男性、C5/6が最多 腰椎ヘルニア:L4/5,次いでL5/S1 手術適応:膀胱直腸障害、下肢麻痺進行例 圧迫性脊髄麻痺に対しては観血的治療 強直性脊椎炎:虹彩毛様体炎、AR、A-Vブロック 仙腸骨関節炎、竹状脊椎 後十字靱帯硬化症OPLL:範囲が広いものは 後方から脊柱管拡大術 限局型:前方除圧固定術、主にC4~C6に多い 脊柱管狭窄症:中高年男性、前屈位で軽減、 間欠性跛行、アキレス反射減弱 腰椎ヘルニア手術適応:膀胱直腸障害、 下肢麻痺進行例 骨盤間欠牽引:椎間板内圧を下げる 慢性の経過:頚椎症性脊髄症とOPLL 下肢・会陰部の異常感覚、膀胱直腸障害:馬尾性 脊椎分離:椎弓根部下関節突起 →テリア犬の首断裂像 小児~思春期男子、スポーツ活動による、 進行するとすべり症に、L5が最多 前方すべりの方が多い、 先天性、加齢性のものもある 側弯←脳性麻痺、神経線維腫症、Duchenne、Marfan 80%は特発性 離断性骨軟骨炎:野球肘と膝、関節軟骨の 一部が遊離体 de Quervain病:橈骨茎状突起炎。腱鞘の狭窄で 長母指外転筋と短母趾伸筋が障害 Dupuytren拘縮:環・中・小指の順の頻度、両側性、 中年男性、手掌腱膜の瘢痕化をきたす、進行性 大腿骨頭壊死:特発性、ステロイド性、 アルコール性、初期は帯状硬化、骨頭輪郭不整、 変化は骨頭の前上方から 骨透瞭像=骨吸収 特発性骨壊死:透瞭像と骨硬化 Perthes病:年少児の方が予後が良い、骨頭陰影↑ 骨端核の扁平化、硬化、骨頭の阻血性壊死 (原因不明)、裂隙がやや拡大 骨頭すべり症:10~17歳、20~40%で両側性 2次性徴が遅れていることが多い、 骨頭が後内方へ滑る、 軟骨下骨の委縮:関節リウマチの所見 足底板の使用で荷重を外側へ 先天性内反足:男児に多い、内反・内転・尖足、 片側・両側は同数、距骨角↓ 徒手矯正後にギプス、Denis-Browne装具 化膿性骨髄炎:血行性、黄色ブが多い、 骨幹端部に多い 下肢、小児、長管骨、疼痛と腫脹、仮性麻痺など Brodie膿瘍:潜行的に経過する化膿性脊髄炎 初めから慢性に経過:Brodie、Garreの硬化性骨髄炎 結核性骨髄炎、骨梅毒 化膿性脊椎炎:椎体・椎間板を破壊、高齢、免疫↓ 7割が腰椎、発熱+疼痛、脊髄症状、黄ブによる 脊椎カリエス:Pott三徴:(亀背,冷膿瘍,脊椎麻痺) 結核性関節炎:股・膝関節に好発、単関節型 骨粗鬆症:血清は正常、単位当たりの骨量が減少 RA重症例で環軸椎亜脱臼、膝は内外反どちらもあり 神経根引き抜き損傷:椎間孔、横突起からの断裂 腕神経叢:C5~Th1根 手根管症候群:手の橈側に症状、明け方に強い、 母指球の委縮 手根部掌側叩打痛・放散痛(Tinel徴候),正中領域 Phalen test:手首屈曲位保持で症状増悪 上腕骨外顆骨折:二次的に尺骨神経障害 軟骨無形成症:近位型小肢、脊柱管狭窄、 O脚、骨折(-) 骨形成不全症、Marfan→常・優 骨Paget病:仙骨関節周囲の骨吸収、骨硬化像 骨肉腫:15歳前後,骨幹端部,大腿骨遠位,脛骨近位 骨の悪性腫瘍では最多、Paget病に続発 肺転移が多い、術前化学療法+広範切除術 Ewing肉腫:onion-peel shadow、虫食い状の 境界不明瞭な骨吸収象 腫瘍の骨転移は溶骨型が80%、前立腺癌では骨硬化 骨巨細胞腫:境界明瞭な透明巣 soap bubbled appearance(地図状骨破壊) 骨端から骨幹端部、20~30代 軟骨肉腫:皮質骨を破壊して軟部組織へ発育 内部に斑状石灰化 内軟骨腫:指節骨、中手骨、すりガラス状透瞭像 多発性のものは悪性化 骨軟骨腫:骨端線閉鎖後は増大しない、無痛性 硬膜内髄外腫瘍が65%:神経鞘腫、胸髄レベル クモ膜下腔の閉塞で蛋白細胞解離 胸郭出口症候群:腕神経叢、 鎖骨下動静脈が挟まれる、 【U 精神科】 気質:感情面での先天的な特性 乳幼児ではREM睡眠が5割⇔大人では2~3割 REM中:低振幅高頻度の脳波、睡眠前半には深睡眠 パペッツの情動回路: 海馬-脳弓-乳頭体-視床前核-帯状回 Pick病:滞続言語 ナルコレプシー:睡眠発作、入眠時幻覚 脱力発作(カタプレキシー)、睡眠麻痺(金縛り) 精神刺激薬(覚醒水準↑)、三環系(レム防止) ハロペリドール:ドパミン受容体斜断 抗統合失調症薬 シアナマイド:アセトアルデヒド脱水素酵素を阻害 症状精神病:脳の機能的変化、二次的 全身感染症、内分泌代謝障害、急性中毒、産褥期 言葉のサラダ:高度の滅裂思考 側頭葉てんかんで性格変化 嫉妬妄想←アルコール依存、認知症で 覚醒剤乱用で妄想・幻覚 Wechsler成人知能検査(WAIS):IQの算出 子供に認知療法は難しい→箱庭、遊戯療法 インターフェロン中にうつ症状が出たら中止 うつ病性格:執着気質→熱中、几帳面 メランコリー型:循環気質→明るく快活 秩序志向型 抗精神病薬:統合失調症に、ハロぺリ、リスペリ、 クロルプロマジン、オランザピン せん妄に対して抗精神病薬が第一 炭酸リチウム:躁病の第一 統合失調症:モノアミン神経伝達物質の異常 定型型抗精神病薬は陽性症状に対しては効く 陰性に対しては非定型(リスペリ、オランザ) 精神分析療法は禁忌 Alzheimer型認知症:女性に多い Balint症候群:両側側頭葉・後頭葉、 精神性注視麻痺・視覚失調・視覚性注視障害の3徴 症状精神病:ペラグラ、 SLE(せん妄)、甲状亢進(躁状態) 機能的変化のみで器質変化は伴わない 粘着気質→てんかん 電気痙攣療法:うつ病で希死念慮が持続、 薬物療法に反応しない場合に適応 躁鬱病と統合失調の合併は予後が良い ←循環気質 統合失調→電気痙攣療法 パニック障害→SSRI、三環系+抗不安 解離性障害:健忘、遁走、多重人格 老人の不眠は早朝覚醒 妄想性障害:中年以降、単一の持続する妄想 緊張病症候群:運動面での意思疎通障害、 昏迷・興奮 Asperger:人見知りしない ADHD:脳内ドパミン神経系の機能不全、 全体の2~7%、メチルフェ二デート Gilles de la Tourette症候群:運動性+音声チック ハロペリドール アルコール離脱症候群:痙攣、小動物幻視、 振戦せん妄に対してジアゼパム Liepmann現象:眼球圧迫で検者が暗示するものが 見える ハロぺリ、ジアゼパム、補液+VitB1補給 アルコール幻覚症:意識清明下での幻聴と 著明な不安 Korsakoff症候群:側頭葉の委縮 身体依存:モルヒネ、アルコール、 バルビツール酸系睡眠薬 覚醒剤←抗精神病薬で拮抗 【V 皮膚科】 デスモソーム:有棘細胞間 ⇔ヘミ:基底細胞と基底板の間 顆粒層:顆粒細胞内にケラトヒアリン顆粒 有棘層:有棘細胞、Langerhans細胞 (中にBirbeck顆粒)、 Merkel細胞(触覚受容体)、メラノサイト 基底層:基底細胞 基底~顆粒が6週間、角層で2週、爪母は表皮 角化に関係:トノフィラメント(張原細線維)、 ケラトヒアリン顆粒、デスモゾーム アポクリン腺:毛の生えている周囲に存在、 情緒刺激により発汗 Langerhans細胞:CD1a陽性、CD45陽性(骨髄由来)、 紫外線により減少 フェニルアラニンがチロジナーゼ↓を抑制 →フェニルケトン尿症で色素低下 チロシン→ドーパ→→メラニン メラノサイト:神経提由来 中・長波長紫外線(UVB、UVA)が真皮層に到達 線状皮膚萎縮症:スポーツでの過伸展、 ステロイド外用、急激な体重増加 粘膜疹:扁平苔癬、水痘、梅毒、カンジダ、 口腔粘膜に多い 皮膚掻痒:悪性リンパ、慢性腎不全、 胆汁うっ滞、寄生虫など 丹毒:β連菌の深部感染、顔面の境界明瞭な 浮腫性紅斑、圧痛(+) 膨疹:真皮の浮腫、痒み 真皮メラノサイト由来:青っぽい,太田母斑,蒙古斑 蒙古斑:1歳頃から消え始め5~6歳で完全に消失 cafe au lait斑:表皮基底層の限局性メラニン沈着 ケラトアカントーマ:噴火口状の角化性丘疹、 顔面に多い、自然退縮する 乳房外Paget病:高齢者の腋窩、外陰部、 明瞭な紅斑、湿疹と誤診する スポロトリコーシス:深在性真菌症、 ヨードカリ内服、イトラコナゾール 黒色表皮腫:頚部、腋窩、陰股部の色素沈着、 ザラザラ、胃癌・糖尿病の合併 Sweet病:先行感染後に浸出性多発性紅斑、アフタ、 結膜炎、WBC↑、好中球↑ Behcet病の急性型のような症状,MDS,白血病の合併 Leser-Trelat徴候:老人性疣贅・色素斑が 急速に多発、掻痒、悪性腫瘍合併 Darier徴候:皮疹部を擦ると膨疹を生じる、 肥満細胞腫に特徴的 Kobner徴候:健常皮膚に刺激を与えると 同一皮膚病変 扁平苔癬、尋常性乾癬(活性型vitD3外用) Nikolsky現象:皮疹の擦過で容易にびらん、 天疱瘡 、SSSS、TEN Auspiz:鱗屑除去で点状出血を起こす、乾癬 Tzanck試験:水疱内の細胞診で角質の 融解した細胞を認める 貼布試験:24~48時間後に確認、 剝離後20~30分後に検査する DLSTリンパ球刺激試験:薬剤を患者リンパ球に 添加して増殖能を検討 皮内試験:Ⅰ型アレルギー 伝染性膿痂疹:黄色ブドウ 乳児寄生菌性紅斑:カンジダ感染症 PUVAが有効:乾癬、白斑、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫、 アトピー、円形脱毛症 放射線治療:皮膚リンパ管腫、ケロイド 単純性血管腫:色素レーザー(ダイレーザー)が第一、 アトピーの合併症:白内障,網膜剥離,伝染性軟属腫、 Kaposi水痘様発疹(ヘルペス感染による)、 伝染性膿痂疹 乳児脂漏性皮膚炎:生後3~6か月、 皮脂成分の増加による、スキンケアが大事 貨幣状湿疹:下腿伸側に好発 湿疹:表皮細胞間浮腫(海綿状態) 紅皮症:皮膚T細胞リンパ腫、毛孔性紅色粃糠疹、 卸し金様の丘疹 血管性浮腫:膨疹、痒みは強くない、利尿薬は無効 尋常性天疱瘡:裂隙に多数の細胞成分、 デスモグレイン3か1+3、口腔内にもできる 落葉状天疱瘡:弛緩性小水疱、表皮の浅層に限局、 粘膜病変は稀、デスモ1のみ 類天疱瘡:表皮細胞と基底膜の間、 高齢者、内臓癌の合併 掌蹠膿疱症PPP:無菌性、紅斑を伴う、 胸・鎖・肋骨の異常骨化 病巣感染の原因→慢性扁桃炎の合併 壊疽性膿皮症:辺縁の隆起、消化管・血液疾患合併 扁平苔癬:不整形扁平な紅斑、 内部にWickman線条、炎症状角化症 薬剤誘発性、金属、C肝、骨髄移植などで生じる、 基底層の液状変性 乾癬性関節症:強直性脊椎炎、反応性関節炎 tuenover短縮による反応で基底膜が延長、 頭・肘・膝に好発 尋常性狼瘡:結核性、有棘細胞癌の前駆 Gibert薔薇色粃糠疹:母指頭大の紅斑落屑性局面 (ヘラルドパッチ)鱗屑を伴う淡紅色斑が多発、 クリスマスツリー状、若年女性、自然寛解する 成人の魚鱗癬では悪性腫瘍を疑う 局面性類乾癬から菌状息肉腫への移行 光線過敏:最小紅斑量(MED)測定 脂腺母斑:小児の頭頂部、基底細胞癌の合併 色素失調症:X優性、男児は死産、 四肢に紅斑・小水疱 輪状紅斑:リウマチ熱 常・優の皮膚疾患:尋常性魚鱗癬、von hippel、 結節性硬化症 脂漏性角化症:急速だと悪性腫瘍合併を疑う、 表皮内角質嚢腫、乳頭腫症、異型性(-) 基底細胞癌:皮膚癌の約1/2、顔面正中部、 日光に当たる所、遠隔転移は稀、予後良好 有棘細胞癌:物理的要因、淡紅色で表面顆粒状、 日光角化症、色素性乾皮、白板症、Bowen病から 悪臭、早期にリンパ節転移 日光角化症:老人性角化種 Bowen病:表皮内癌、慢性湿疹様、 ヒ素、日光、HPVが誘因、20%に内臓癌合併 ケロイド:ステロイド含有テープ、局注、外用 などの非観血的治療を行う 尋常性毛瘡:髭の細菌性難治性感染症 悪性黒色腫:部分切除は転移を促進するため禁忌 しみだし、衛星病巣 色が濃いほど悪性というものではない 爪床下にできて激痛:グロムス腫瘍、単発 菌状息肉腫:皮膚T細胞悪性リンパ腫、 紅斑期→扁平浸潤期→腫瘍期 表皮内に息肉症細胞、 Pautrier微小膿瘍:リンパ球の集簇 Sezary症候群:皮膚悪リンの一種、掻痒を伴う 紅皮症、脾腫、核が異常分葉したT細胞 (Sezary細胞) 晩発性皮膚ポルフィリン症:遮光、瀉血、禁酒 長期飲酒に伴う ペラグラ:地方病性紅斑、ニコチン酸欠乏、 (胃切除、アルコール中毒、イソニアジド) 皮膚露光部の紅斑、胃腸・神経症状、 カザールの首飾り 慢性円板性エリテマトーデス:鱗屑、 中央部が脱色、凍瘡様の瘢痕形成 皮膚筋炎:多形皮膚委縮(poikilo derma) 網状皮斑(livedo):動脈側での末梢血管循環不全 クリオグロブリン血症、SLE、結節性多発動脈炎 蜂巣炎:深部感染、疎結合織、黄ブ、連鎖、疼痛 壊死性筋膜炎への発展 皮膚腺病:結核性 硬結性紅斑:若年女性の下腿伸側、一部に硬結 結核性(アレルギー反応)、乾酪 単純疱疹:水疱細胞診でウイルス性多核巨細胞 Celsus禿瘡:人畜共通、毛髪脱落、白癬菌 (皮膚糸状菌) 疥癬:STD、夜間に掻痒、硫黄が効く 【W 泌尿器科】 FSH→セルトリ:精細管での精子形成・維持 LH→Leydig:テストステロン分泌 精巣:筋膜の代わりに白膜を持つ、 停留精巣:軸捻転、鼠径ヘルニアの合併 低出生体重児に多い、1~4歳で固定術、 半数以上が生後1年以内に自然下行 精巣上体炎:大腸菌、クラミジア、尿道から逆行性 両側性だと不妊の原因、精巣挙上で疼痛軽減 乏尿:400ml以下、無尿:100ml以下 急性腎皮質壊死:突然の無尿 Fanconi症候群:広範な近位尿細管障害 腎盂腎炎:膿尿、発熱、腹痛、CRP↑、赤沈↑ 膀胱炎:頻尿、排尿痛、 発熱はない 肉眼的血尿:IgA腎症、結石、感染、腫瘍、 シスチン尿症:常劣、 Na-塩基性アミノ酸共輸送体障害 尿路結石の手術適応:腎機能障害、結石が10mm以上、 難治性尿路感染症 急性前立腺炎:高熱、膿尿、 前立腺マッサージは菌血症になるから駄目 PSA:prostate specific antigen、前立腺特異抗原 前立腺生検:経直腸か経会陰 高分化型が3切片以内なら経過観察 前立腺癌:転移があれば抗男性ホルモン療法 三環系抗うつ薬による抗コリン作用 芳香族アミンはβ-グルクロニダーゼにより 分解され膀胱癌の原因 IVP:静脈性尿路造影、DIP:静注腎盂造影 カテーテル留置の合併症:膀胱結石、尿道皮膚瘻、 尿路感染 馬蹄鉄腎:尿管は腎の前面、背屈位で腹痛増強 腎瘻:低K、低Na、多尿 海綿腎:40~60代で発見、両側乳頭にブドウの 房状陰影、結石、感染 嚢胞腎:常優、脳動脈瘤、肝・膵嚢胞、 幼児型は常劣で重症 ポリチスチン1の異常→心血管系の合併症、高血圧 尿管瘤:重複尿管の上方腎盂からのもの (異所開口のやつ)、蛇頭像 尿道下裂:就学前に手術 シュウ酸Ca結石が多い、80% シスチン結石:尿のアルカリ化、D-ペニシラミン 投与で溶けやすくする、X線で淡く映る アセタゾラミド、ステロイド:燐酸塩の析出、 結石の原因 hCG-β↑:絨毛癌、奇形癌、胎児性癌 AFP↑:卵黄嚢腫瘍、奇形癌、胎児性癌 セミノーマ:頻度は最多、腫瘍マーカーに異常なし、 放射線がよく効く 精巣腫瘍:転移があれば化学療法 小児では卵黄嚢腫瘍、奇形腫が多い 膀胱憩室→二段排尿 尿路閉塞解除直後は多尿になる 神経因性膀胱:松傘状、VURを合併 腎動静脈瘻:腎腫瘍、腎損傷、先天性 淋菌:白血球内にグラム陰性双球菌 淋菌性尿道炎:前部尿道の炎症・狭窄 慢性前立腺炎により前立腺結石が促進 肺 骨 肝の順に前立腺癌転移 尿膜管腫瘍:腺癌、膀胱頂部に多い ⇔膀胱癌は膀胱底部に多い 腎杯から尿道までが移行上皮 肉柱:膀胱壁の辺縁不整 前立腺肥大症の第一:α1遮断薬 【X 放射線科】 電離放射線:物質透過時に物質をイオン化 X、α、β、γ、陽子、電子、中性子 非電離~:可視光、紫外線 早発障害:造血、粘膜、皮膚、造精、脱毛 晩発障害:白血病、癌、白内障、肺線維症 骨盤部X線:月経開始後10日以内 10days rule 放射線業務:赤血球、白血球を6か月毎 皮膚変化、白内障を3か月毎 線量限度:50mSv/年、100mSv/5年 Kerley 線:肺小葉間隔壁肥厚による、液体貯留 線維性変化が原因 A:上肺野、肺門から肺野への放射状陰影 B:肋骨横隔膜直上、肺水腫、肺線維症、 癌性リンパ管症 C:肺野の網状影(下肺野)、サルコ、塵肺症 両側肺びまん性粒状影:サルコ、肺胞微石症 粟粒結核、珪肺 X線透過性:キサンチン、尿酸、シスチン結石 不透過:リン酸、炭酸、シュウ酸結石→Ca 乳房撮影:モリブデン管を用いた低圧撮影 呼気で心陰影開大 骨膜反応(+):好酸球性肉芽腫、骨髄腫、骨膜炎 膵嚢胞腺癌・膵島腫瘍は腫瘍血管に富む 原発性硬化性胆管炎:数珠状所見 beak sign, spider-leg deformity:腎嚢胞 ナットクラッカー症候群:左腎静脈が大動脈と 上腸間膜動脈に圧排されて血尿 頭部:吸収期血腫・膠芽腫でリング状増強 交感神経に集積:131I-MIBG 心疾患:Tc-MIBI,Tl-Cl,Tc-PYP 肝硬変:flying bat sign、相対的左葉腫大 99Mo-99mTcジェネレータ: ラジオアイソトープカウ 67Gaクエン酸ガリウム:48~72時間後に撮像 3MeVにつき1cm治療可能 131Iはβ線を放出 上咽頭癌:外部照射が主体 照射でリンパ球から減少する 吸収線量:Gy=100rad リニアック=X線 高LET放射線は酸素効果の影響少ない 感受性:小腸>胃>下咽頭>≒食道≒直腸 放射線で治療:悪性リンパ、白血病、Wilms セミノーマ、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫 Hodgkin:頸部、連続性進展 ⇔非Hodgkin:口蓋扁桃、非連続性 松果体腫は全身照射+全脳照射 ヨード:昆布、だし、うまみ成分 ストロンチウム:骨転移痛を緩和 子宮頸癌の放射線治療: 早発:悪心、船酔い様症状、皮膚発赤、WBC↓ 下痢、血便 晩発:血尿、慢性膀胱炎、皮膚炎、腸閉塞 内軟骨腫:境界明瞭な透明巣、中に点状の石灰化像 骨軟骨腫:茸状、台地状に突起 砂粒状石灰化:甲状腺乳頭腺癌の半数、乳癌 saddle bag sign:新生児胃破裂、 仰臥位でfootball sign 水腎症:排泄遅延あり、投与30分の撮影で 腎盂腎杯が造影されている (黒)空気 脂肪 水 筋・実質臓器 出血 骨・石灰化(白) MRIの造影:ガドリニウム製剤 RI急速注入:低侵襲、心大血管系の検査、 経時的血行動態 99mTcスズコロイド:造血骨髄と一致した分布 開創・浅在膿瘍:高エネルギー電子線を使用 深部:高エネルギーX線 ブラッグピーク:重粒子線と陽子線にある 131Iから出るβ線:飛距離が短く局所治療 温熱療法:S期細胞に効果大 膠芽腫以外の~芽腫には放射線が効く ALL:髄膜浸潤予防のために全脳照射+MTX髄注 術前照射:下咽頭癌、食道癌